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 1月25日の北國新聞は、震災対応の初動にあたり馳浩知事はなぜ得意の「肌感覚」を発揮しなかったのかと問う。というのも馳知事は震災前から「肌感覚」という言葉を大事にし、最前線の情報を肌感覚でつかむためには週1回くらい上京したほうがいいと北國新聞に語っていたからだ。それならなぜ「災害に直面しながら2週間、県庁にこもっていたのか」と書く。

 さらに翌日(1月26日)には『国難で問われる知事の重さ』『ビジョン示し被災者に希望を』とあらためて。これらを読むと馳浩知事の言動について北國新聞はかなり不満を持っていることが行間から伝わってくる。

被災地で救助活動する自衛隊員(防衛省統合幕僚監部提供)©時事通信社

週刊誌も「異変」を察知

 北國新聞の「異変」はもちろん私だけが気づいたわけではない。「週刊新潮」(2月8日号)は『震災対応で「馳浩」石川県知事が“蜜月”「北國新聞」とバトルの理由』と報じた。

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 まず、

「保守的な論調の北國新聞は森元総理と近しく、事あるごとにご意見番として紙面に登場してもらっています。その延長上で森元総理の舎弟分である馳さんに対しても、これまで極めて好意的に報じてきました」(石川県政関係者)

 との解説を載せ、「なぜ北國新聞は手のひらを返したのか」と書いている。

 理由として、

・馳知事は昨年の元日も東京でプロレスの試合に出場して批判された“前科”があった。普段から石川県を外すことが多く、県民の不信感が募っていた。
 

・その上で現在、情報発信が上手くいっていない。記者会見もお仕着せの内容が続き、さすがの北國新聞もしびれを切らしたのでしょう。

 という地元メディア関係者の言葉を載せていた。