国際法に違反して占領を続けるイスラエル
パレスチナ人に対するヘイトクライムを扇動するこのようなヘイト・デモが毎年、イスラエルのユダヤ人によって行われています。この動画の最後には、パレスチナの旗を掲げた年配のパレスチナ人男性がデモに抗議するのですが、複数の警官が襲いかかって、彼を取り押さえます。
東エルサレムの旧市街には、ユダヤ教、キリスト教、イスラームの聖地があります。東エルサレムは1967年の第三次中東戦争で、ヨルダン川西岸地区、ガザ地区とともにイスラエルに軍事占領されますが、直後に国連安全保障理事会は、イスラエルに対してグリーンライン(1949年〈第一次中東戦争〉の休戦ライン)の内側まで撤退せよと決議します(安保理決議242)。しかし、今に至るまでイスラエルはそれを履行していません。1980年にイスラエルは、安保理決議に違反して占領を続ける東エルサレムを併合します。これは国際法違反です。そして、エルサレムの首都化宣言を行いました。
1967年の占領以来、とりわけ1993年のオスロ合意以降、現在に至るまで、イスラエルは占領地に国際法違反の入植地を拡大させ、エルサレムと西岸におけるパレスチナ人住民の民族浄化を強力に推し進めています。
冒頭の、エルサレムにおけるフラッグマーチの一件だけからも、イスラエルという国がどういう国家なのか、その本質の一端をご理解いただけるのではないか、と思います。
今回のガザへのイスラエルの攻撃に対して、ユダヤ人からも抗議の声が上がっています。
10月18日、アメリカのユダヤ系市民500人が米議会施設を占拠するという出来事がありました。議会の外で行われた抗議集会にも大勢の市民が参加し、あるユダヤ人女性は、「自分はユダヤ人だからこそ、ユダヤ教の教えに則って、今、イスラエルが行っていることを批判する」と語っています。イスラエルは自らを、ホロコーストの犠牲者であるユダヤ人の国と主張し、日本のメディアも、イスラエルの主張があたかもユダヤ人の主張を代表するものであるかのように語りますが、ユダヤ人であるからこそ、またホロコーストを経験したユダヤ人だからこそ、イスラエルという国を認めないユダヤ人が、世界には大勢いるのです。