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この町の“もうひとつのターミナル”
そう、四日市にはふたつのターミナルがある。ひとつは、JRの四日市駅。もうひとつが、近鉄四日市駅だ。どちらのほうが優勢か、などというのはもはや愚問だろう。
近鉄四日市駅とJR四日市駅の間には、10倍ほどのお客の数の開きがある。もちろん近鉄の圧勝だ。
なにしろ、駅前にコンビニひとつないJR四日市駅に対し、近鉄にはコンビニどころか百貨店。駅ビルに近鉄百貨店が聳える押しも押されもせぬ大ターミナルだ。その傍らには大きなバスターミナルも設けられていて、近鉄の高架下を抜けるように設えられたプチ商業モールまである。
四日市のように、JRと私鉄のターミナルがそれぞれ向かい合っている町は、それほど珍しくはない。それこそ京阪神などにはいくらでもあるし、九州でもたとえば久留米など、西鉄久留米駅とJR久留米駅というターミナルが併存している。
そして、ほとんどの場合において、私鉄のターミナルの方が中心市街地に近いことが多い。四日市も、まさにそういう例に漏れない。