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「近鉄の10%しかお客のいない駅」に工業地帯が集中している“四日市のナゾ”
ただ、いっぽうでは四日市の場合、いわば町の核といっていい工業地帯はJR四日市駅よりも東側の海沿いに広がっている。
この工業都市としての四日市のはじまりは、明治初期の四日市港大改修にある。古くからの港町として栄えていた四日市だったが、幕末の大地震で水深が浅くなり、大型船が入港できなくなってしまった。
そこで、このままでは四日市の町は廃れてしまうと立ち上がったのが、廻船問屋の稲葉三右衛門。私財をなげうって大規模な改修工事を行い、四日市の港を近代港湾として生まれ変わらせた。
これをきっかけに四日市港は開港地に指定され、国内外の物資が集まる要港となる。そして、繁栄する港に吸い寄せられるように工場の進出が続いて工業地帯となっていったのだ。コンビナートは戦後になってから開発が進み、工業都市化とともに三重県でいちばんの人口を抱える大都市へと成長していった。