三重県でいちばんの都市は、県庁所在地の津市……ではない。もちろん伊勢神宮のある伊勢市でもない。三重県内で人口が最も多い都市は、四日市市だ。その人口は約31万人。県都の津市が約27万人だから、それなりに差をつけている。
四日市は、日本三大都市の一角、名古屋からはJR関西本線の快速に乗って30分ちょっと。だからまあまあ近いし、伊勢湾を挟んで向かい合う名古屋市などとともに、中京工業地帯を構成している工業都市でもある。
そんな位置関係だけから見れば、名古屋のベッドタウンでありつつ、それでいて工業という産業も持っているというわけだ。これはもう、なかなか大きな都市に違いない。そんなわけで、そんな四日市のターミナル、四日市駅を訪れた。
“じつは三重県最大の町のターミナル”「四日市」には何がある?
四日市といったら、工業都市、四日市コンビナートの存在が一般に膾炙しているといっていい。だから、四日市駅にもそんな工業都市の玄関口らしさを求めてしまう。果たして、どうなのか……。
電車に揺られて四日市駅に着くと、まさにそうした期待通りの駅であった。駅の構内には貨物列車のコンテナがずらりと並んでいて、ホームや駅舎は実にシンプルな武骨な造り。
西側に面している駅舎の反対、つまり東側をホームの上から望んでみれば、煙が立ちのぼる工場の煙突がいくつも見える。