米大リーグ、ドジャースの大谷翔平(29)が2月27日に米アリゾナ州グレンデールで行われたホワイトソックス戦でオープン戦初出場を果たし、ツーランホームランを放って3打数1安打2打点で上々のデビューを飾った。
そして2日後には自身のインスタグラムで日本人女性との結婚を報告し、日本中に衝撃が走った。今季に向けて心機一転、すべての環境は整ったということだろう。
27日に指名打者として立った打席では、昨季終盤の右肘手術や脇腹故障の影響を感じさせないフルスイングを連発。ホームランに至っては右投手の内角球に詰まりながらも、規格外のパワーで左翼フェンス越えとした。打者に専念する今季、2年連続のホームラン王を期待させる打棒で、欠場の可能性も取り沙汰された3月20日に韓国で開催される開幕戦に向けた調整を進める。
「権藤さんだからこそ実現した会食だったと思います」
NHK・BSでこの試合の解説者を務めた元横浜(DeNA)監督の山下大輔氏(71)は早くも、今季の大谷の活躍に太鼓判を押す。
「あれだけバットを振れる様子を見ていると、体調は万全のようで、寒い韓国との気温差や長距離移動も問題ないと思います。同じ右肘手術明けで打者だけでプレーした2019年は18本塁打と成績が伸びきらなかったという人もいますが、当時とは体力、技術のレベルが違います。今年は打者一本でも十分に成績を残せるでしょう」
山下氏は18年、大谷がメジャー1年目のキャンプを過ごしたアリゾナ州テンピを訪ねた。その際、横浜時代に監督、ヘッドコーチの間柄だった権藤博氏を介し、大谷と焼き肉屋で食事を共にしたという。権藤氏は2017年のWBCでコーチを務めており、大谷は本大会は辞退したもののつながりがあったのだ。
「当時は取材規制があって、なかなか話す機会がありませんでした。権藤さんだからこそ実現した会食だったと思います」と回顧する。
この時すでに予兆はあったが、エンゼルス時代の大谷の取材は困難を極めた。本塁打を放っても記者対応がないことも多く、クラブハウスでの対面取材もままならなかった。