しかしドジャースでは、取材対応が格段に増えている。大谷はまずキャンプインした2月9日、屋外で初のフリー打撃に臨んだ12日、さらに28日も記者の前に姿を現すなど、日米のメディアには“うれしい誤算”が続いている。
ドジャース移籍に際し、大谷の取材対応は日米のメディアにとって心配の種だった。キャンプ前には地元ロサンゼルスのメディアが日本メディアの希望も吸い上げた上で、ドジャース球団と協議の場が持たれるほどだった。
「『節目では取材に応じてほしい』というメディアの要望は、ドジャースから大谷に伝えられたようです。エンゼルス時代にはほとんどなかった日米のメディアによる囲み取材も実現しています。大谷の気持ちにも変化があったように感じます」(ドジャース担当記者)
昨季は最優秀選手(MVP)に輝き、今年1月にはニューヨークのホテルで開かれた全米野球記者協会ニューヨーク支部主催の夕食会に、2018年に新人王を獲得した時から5年ぶりに出席した。
「直前まで来ないのではないかと噂されていましたが、メディア対応も仕事の一環というメジャー流の意識がより強まったのではないでしょうか。これまでは露出の少なさを一部の米メディアに批判されることもありましたが、それすら改善してさらに完全無欠のヒーロー像に近づいたと思います」(同前)
そして2月29日の結婚発表でも「明日の囲み取材でも対応させていただきますので…」と自分の声で話すことを約束している。
「NHKスペシャル」のギャラは数千万円?
ドジャースとはプロスポーツ史上最高額となる10年総額7億ドル(約1015億円=入団合意当時のレート)の大型契約を交わした。大谷は名実共に世界ナンバーワンのスポーツ選手になったのだ。
そうなるとメディアの出演料も跳ねあがる。昨年末に放送された『NHKスペシャル』では、NHKが大谷サイドに払ったギャラは実に数千万円に上るという。かつて日本ハムの新庄剛志監督は、就任前にテレビ出演のギャラが1本平均700万円だったことを明かしていたが、大谷の選手価値を踏まえると数千万円単位の出演料も妥当というところだろうか。