当せん後についた銀行の担当の方の紹介で、本当の富裕層に会う機会が増えたら、思い違いに気付きました。なんとなくですけど、100億円以上持っていそうな人ばかりなんです。僕のは自力で手に入れたお金ではないし、自分は小粒だなとわかって、戒めになりました。
やってはいけない行動
――勘違いが危険なんですね。
ぽんぽん 当せんした途端、リスクの高い金融商品に手を出してさらに増やそうと欲張ったり、自分の経験を活かせない業界でいきなり起業したり、は禁物でしょうね。
ですから僕は、当せんした人には仕事を続けてほしいんです。日本ではいくらお金があっても、仕事をしていないとクレジットカードを作れなかったり、住宅ローンを組めなかったりする現実もあります。普通の金銭感覚を失わないためにも、勤め続けたほうがいいです。
僕は当せんから10年以上たちましたけど、ずっと同じ会社で働いています。普段の食事や買い物の支払いは、クレジットカードです。年会費15万円のプラチナカードを持っていた時期もありましたけど、意味ないなと思って普通のカードに切り替えました。貯まるマイルのパーセンテージも、変わりませんしね。
誰に打ち明けるべきか
――日本宝くじ協会が扱っている宝くじの場合、1000万円以上の高額当せん者には「【その日】から読む本」という冊子が渡されるといいます。スポーツくじには、そういうものがあるのでしょうか。
ぽんぽん それに類するものはあるそうなのですが、僕は当せんした当時、その存在を知らなかったんです。というのも、高額当せんした人がtoto公式サイトで当せん結果を確認した場合にのみ表示されるらしくて。僕は楽天totoのサイトで確認しただけだったので、それを目にするタイミングがなかったようです。そういう仕組みになっていることを随分あとになって知ったのですが、これから当せんされる方には気をつけていただきたいですね。
――なるほど。何の情報もなく、いきなり大金持ちになって、さぞ心細かったでしょう。
ぽんぽん いろいろな誘惑や、お金が振り込まれたことを察知した金融機関から営業もありますから、対応に困るのが普通だと思います。
僕は、以前から知り合いだった富裕層の人にまず相談しました。知識があるだろうし、お金持ちだから話しても心配ないだろうと思ったので。唯一受けたアドバイスは、「銀行の人には気をつけたほうがいいよ」でした(笑)。
次に「ちょっと話したいことがあるんだけど」と両親を呼んだら、「えっ、なに? 結婚するの?」と勘違いされて(笑)。パソコン画面の口座残高を見せたら、さすがにびっくりしていました。
――あの人には話す、この人には黙っておく、という線引きが難しそうです。