現代の日本では、結婚した3組に1組が離婚し、60歳の3分の1がパートナーを持たず、男性の生涯未婚率が3割に届こうとしている。なぜ日本社会では、結婚がこんなにも難しくなってしまったのだろうか?
ここでは、「難婚社会」の実態に迫った社会学者・山田昌弘氏の著書『パラサイト難婚社会』(朝日新書)より一部を抜粋して紹介する。(全2回の2回目/1回目から続く)
◆◆◆
「美しい」はむしろ結婚に不利?
ちなみに「婚活」という言葉は、2007年にジャーナリストの白河桃子さんとの対談の中で生まれました。そして共著『「婚活」時代』(ディスカヴァー携書)で広まっていきます。もはや昭和時代のように、待っていても「結婚」は降ってこない。就職活動のように自ら行動を起こさなくては結婚できない時代になった、ということを申し上げたかったわけですが、そんな「婚活」ワードの“生みの親”たる私でも、リアルな現場で起きていることは驚きの連続です。
例えば、婚活市場においては、どのような人が結婚に結びつきやすいか。もちろん一定の傾向は存在します。「高身長・高学歴・高収入」の男性はやはり人気です。
『「婚活」時代』で白河さんと私は、「女性もこれからは男性に経済的に依存するのではなく、自ら働いて自立することで、夫婦2人で生きていく覚悟が必要だ」と述べたかったのですが、実際には、「専業主婦を養える男性は一握りだから、急いで婚活すべきだ」という風に捉えられてしまったのが残念な限りです。その結果、上記のような男性が相変わらず人気なのですが、ただ、予想外の現象も起きていました。
それが「必ずしも美人が結婚できるとは限らない」というものです。これは予想外でした。
女性の「容姿」と「結婚」に関連性がほとんどないワケ
もちろん、パッと人目を惹く美人は、「モテ」ます。つまり男性からのアプローチ回数は多い。実際、会って話をしたいという申し込みも殺到します。ただ、いざ「結婚」となると、どうも恋愛とは事情が違うようで、なかなか成婚に至らないのです。