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多くの人が陥る「傾聴」に対する誤解

 まずは「傾聴+共感」から。

 これらはすべて、101ヒアリングで学んだことだ。信頼関係を構築できているメンターはみな、すでにやっていることだった(皆さん、本当に素敵なメンターでした)。若手から信頼されているメンターたちは、1on1の最初に、必ずと言っていいほど共感プロセスを入れていた。

 彼らは「そうそう、それね」、「めちゃわかる!」というリアクションを、無意識に(ほぼ素で)している。

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「なんだ、そんな簡単なことか」と思った人も多いかもしれない(そうです、そんな簡単なことです)。

 ただ、本当にできるようになるのはなかなか大変なので、もう少しお付き合いを。「共感できない場合はどうしたら? 実際、そういうケースが多いのですが」という人も多い。

 そんな人にぜひ覚えておいて欲しいことが1つある。

 それは、「傾聴」とは何か、ということ。

 1on1に求められるスキルについてはすでに論じたが、「傾聴」は11に限らず、多くのコミュニケーションの場面で必要とされる必須アイテムのようなものだ。

盛大にリアクションをすればいい訳ではない

 ただ、多くの人が、「傾聴」を「ただ黙って聞くこと」と誤解しているところがある。

 ここでは改めて「傾聴」=「積極的かつ能動的に聞くこと」と理解しよう。

 そう考えると、「傾聴」も楽ではないということがわかる。

 積極的といっても、何でもかんでも盛大にリアクションすればいいという話ではない(基本的に、あざとさはバレると思っておいて下さい)。

 聞くという行為は一見して受動的行為なので、能動的に聞く、という態度もどうしたらいいかわからない。

 そこでここでは、小さな子どもを相手にするシーンを想像してほしい。おそらくあなたは、(正直、子どもが何を言っているのか意味不明でも)積極的に聞き、(たとえ内容が支離滅裂でも)能動的に聞いてあげているはずだ。

 もちろん相手が子どもなら、あざといくらいでちょうどいい。ただ、相手が大人だと、それはちょっと気持ち悪い。みんなそのことを知っているから、中学生かそれ以上の人を相手にするときは、そんなことはしない。

 でも、原則は変わらない。