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これはロシアのテレビNTVで、同局のオレグ・カシンという人の調査によるものだという。この人物によると、ユリアは複雑な英国の家庭の出身で、継父は亡くなったが、実父は生きているという。

「(ユリアの)実父はロンドンに住んでおり、KGBまたはGRU(ソ連とロシアの軍の情報機関)の将軍です。そして今、彼はいくつかのファンドを運営しています。おお、おお。この家族には本当に隠しごとがある!」

 しかし、夫アレクセイは、完全なウソであると主張した。妻の実父の死亡証明書まで公開した。そして、この御用ジャーナリストが言うことで事実なのは、何度も誕生日に招待されたが、行きたくなかったし、断る口実をつくって行かなかったことだけだ、という。そして実在の人物を、ユリアの親のようにでっちあげていると主張した。

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 ユリア自身もこの情報を否定した。彼女はインタビューで、研究所職員と軽工業省職員の家庭で育った、と語った。小学5年生の時に両親が離婚し、18歳の時に実父が亡くなったことを知ったという。

2021年夫はロシアに帰ることを選び、当局に拘束された

そのまま二人は、ドイツに暮らすこともできただろう。ドイツ政府は、ナワリヌイ家の人が亡命申請をするなら、すぐさま受け入れたに違いない。しかし、二人は祖国に帰っていった。

2021年1月、夫は空港で拘束された。ベルリン発モスクワ行きのポベダ航空便は、当初ヴヌーコヴォ空港に到着する予定だったが、ナワリヌイ氏の到着前に到着便の受け入れが禁止された。そして便は、ロシア最大のシェレメチェボ空港に到着した。

ユリアはナワリヌイ氏を迎えに殺到していた支持者に感謝の気持ちを述べた。

「お越しいただいた皆様、本当にありがとうございました。彼らはアレクセイを恐れるあまり、今夜モスクワのほぼすべての飛行機を麻痺させました」「そして最も重要なのは、アレクセイが『恐れていない』と言ったことです。そして私も恐れていません。そして、皆さんも恐れないでください。皆様のご支援に心より感謝申し上げます」と、パスポート審査での逮捕前に短い演説を行ったナワリヌイ氏の言葉を引用して述べた。そして、動揺を極力見せようとせずに言い終えるや否や、車に乗って去っていった。
 拘束直前、二人は抱き合った。これが最後の抱擁だったのだろうか。