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包丁を腹に投げつけ「ざまあみろ!」

 2010年9月30日、3人は未明に男性宅へ押しかけた。

「ジイさん、前に泊まりに行ったとき、私の体に触ったでしょう」

 それでも男性は頑として認めようとせず、「好きなようにせえ」と開き直った。

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「もうやっちゃっていいよね…、私は血を見たら止まらなくなるよ」

「おう、やれやれー」

 2人は天池の本性を知らず、軽口を叩いてけしかけた。すると、天池は台所に包丁を取りに行き、2本の包丁を握って刃の部分を男性の頭に何度もガンガンと振り下ろしたのだ。

天池由佳理被告 (フェイスブックより)

 男性は血まみれになって、「ごめん、触った。謝ります」とすがりついてきたが、天池は「もう遅いんだよ。服を着ろ。ここじゃ誰かに通報される」と言って、車に乗せて連れ出した。

 闇金で借金させようとしたが、業者と連絡がつかなかった。そこで男性からキャッシュカードの暗証番号を聞き出し、コンビニのATMで引き出そうとしたが、数百円しか入っていないことが分かって激怒した。

「てめー、金もないくせに私の体を触ったのか!」

 天池の怒りはピークに達し、男性の顔を刃物で切り裂いたり、煙草の火を押し付けたり、「寝るな!」と言ってライターの火で腕などをあぶったりした。男性が「小便がしたい」と懇願すると、紙コップにさせたが、「次からはガマンしろ」と言って、ビニールテープで陰部をグルグル巻きにした。

「こいつと女子中学生をセックスさせて、裸の写真を撮ろうか?」

 天池は援交仲間の女子中学生に電話。しかし、連絡がつかず、それも叶わなかった。夜になっても闇金と連絡が取れず、だんだんと男性が邪魔になってきた。このまま死なれても困る。男性を愛知県阿久比町の路上で下ろし、最後に天池がトドメとばかりに包丁を腹に投げつけた。

「ざまあみろ!」

 その帰り道、「もしかしたらジジイは死ぬかもしれない…」と動揺していた共犯者の男は事故を起こし、警察に呼ばれることになった。車内に残っていた血痕の理由を追及されて犯行を自供。男性は通行人に発見され、一命を取り留めた。

 調べに対し、天池は「どうしてもごめんなさいという気分になれない。殺してやればよかった。ハハハ…という気分」と供述した。

「天池は中度知的障害と認定されており、愛知県から療育手帳を交付されていた。公判ではそれを理由に執行猶予を求めたが、懲役4年6カ月の実刑判決を言い渡された。天池には20歳のときに出産した長女がいますが、岐阜県の実家に預けられている。服役後には結婚して長男と次男をもうけましたが、そんな状況なのに2019年には援交トラブルから恐喝事件を起こし、新たに懲役1年を言い渡された。

 夫とは離婚することになり、子供たちは児童養護施設に預けられ、また住所不定の無職となって、売春を繰り返すようになった。その買春客として知り合ったのが山下克己で、山下も前科5犯の性犯罪常習者なのです」(地元記者)