A子さんはあまりの恐怖感に泣き出してしまった。天池はナイフを突きつけて「後ろに行って」と3列目のシートに座らせ、山下も2列目のシートに移動してきた。後ろの座席はカーテンがかけられ、外からは見えない構造になっていた。
2人は協力して口にガムテープを張り、髪を上げて2~3周巻いた。さらに天池が頭に布のようなものをかぶせ、パーキングを後にした。
LINEの文面には《このまま帰すわけにいかない。殺す。埋める》
A子さんは車の中に監禁され、あちこちを走り回った後、何もない場所で車を止められた。
「ここはどこですか?」
「丘」
A子さんは布とガムテープを外され、寝るように命じられた。寝たフリをしているとき、天池が自分の財布から2万円を抜き取るのを見た。それはA子さんが別の買春客から受け取った売上金だった。
今なら逃げられるかもしれないが、音を出したら気付かれる。こんな場所で逃げる自信はない。殺されるかもしれない。
翌朝になって出発することになったが、「逃げるかもしれない」と両手を結束バンドで縛られ、頭に黒っぽい上着のようなものをかぶせられた。
すき家のドライブスルーで牛丼を買い、グラウンドがあるところで食事を取った。A子さんはそこがどこなのかまったく分からなかった。
「今日の夜になったら帰してあげるから、大人しくしていて。明るい時間に名古屋に戻ると、警官に声をかけられるかもしれないから」
車を運転している山下の意向には逆らえない。その後、A子さんはイオンモール東浦の駐車場に連れ込まれた。
「どうせヤルつもりだったんでしょ。今ヤッちゃえばいいんじゃない?」
天池の提案に山下が「それもそうだな」と乗ってきた。A子さんは服を脱がされ、胸を触られたり、陰部に指を入れられた。
山下は下半身だけ脱いで、「舐めて」と言って迫ってきた。拒否できないA子さんは応じざるを得ず、車の中で押し倒され、性交まで許してしまった。
「こういうときは声出さないんだね。アハハ…」
天池はその様子を笑いながら見ていた。
A子さんに対する凌辱はまだ終わらない。イオンモール東浦を出てから、2人に「便秘なの?」と尋ねられ、「座薬があるから肛門に入れろ。車の中でトイレを済ませろ」と命じられたのだ。浣腸されてガマンできなくなり、車の中で排泄した。
さらに別の場所に移動し、天池と山下の間で交わされたLINEの文面を見せられた。
《このまま帰すわけにいかない。殺す。埋める》
A子さんは震え上がって泣き出し、天池のスマホに《2人のことを通報するつもりはない》と入力した。山下に「帰らせてほしい」と懇願すると、「帰らせてあげたいけど、オレたちには前科があるから」と言われた。