裏にいる時からちょっと馬鹿になって準備を
――マネージャーという役柄ですが、 三浦さんも自身のマネージャーさんから何かヒントを?
「小さい時から見てきたマネージャー像と、いざ自分が事務所に入ってからのマネージャー像って全然違っていた(笑)。僕の両親はマネージャーさんと友達のような関係で、一緒に食事に行ったり、僕もずいぶん可愛がってもらいました。
でも、自分のマネージャーさんや事務所にいるマネージャーさんはまた違っていた。こんなに仕事をするんだ、みたいな(笑)。これまで見えなかった部分が見えてきました。マネージャーといっても、関わり方は人それぞれなんだな、と。だから、タケシもマネージャーというより、むしろ福来スズ子の一番のファンというような感じで演じていました」
――タケシ役を演じて、苦労した面はありましたか?
「もちろん、趣里さんや木野花さん、素晴らしい俳優さんたちが周りにいて、その中で『この役は三浦獠太で良かった』と思ってもらうために、どう存在感を出していくかっていうのはすごく悩みました。やりすぎちゃうと空回っちゃうタイプなので、そこの塩梅といいますか。しかも、タケシのセリフは結構無視されてることが多いので(笑)」
――その答えは出ましたか?
「答えではないですけど、タケシっていう人間は、僕たちがこう普段生活している中では、なかなか出せないエネルギーを持っていると思うんです。だから、カメラが回った瞬間だけじゃなく、裏で待っている時から、なるべく自分のエネルギーを高めていくっていう作業は大事だな、と。僕は、いきなりパッてできる人間ではないので、裏にいる時からちょっと馬鹿になってやれたらいいなと思って準備していました」
何回も走って、こけて、叫んで、しかも寒くて
――最も思い出に残るシーンはどこですか?
「撮影で思い出に残っているのは、誘拐犯の小田島さん(水澤紳吾)に金を届けに行くシーンですね。何回も走って、何回もこけて、何回も叫んで、しかも寒くて。それこそエネルギーを発散しながら撮影しましたから。あそこだけで一日がかりだった気がします」
――え!? すごいですね、こだわりが。
「結構撮影した覚えはありますね」
――確かに、あのシーンは三浦さんの怯え方や動きがなんだか面白くて笑ってしまいました。
「なんかすごく格好悪く映ってて良かったなって(笑)。どう面白くやろうかなとか色々考えたんですけど、もうタケシがひたすらビビって逃げて走ってるのを一生懸命やることが一番面白いんじゃないかなと」
――三浦さんは端整な顔立ちされてますけど、タケシはちょっと三枚目の役柄でしたよね。
「あ、僕自身が三枚目的なところがあるので(笑)」
――あれ、そうですか?
「普段からイケメンに嫉妬して生きてきたタイプの人間なので(笑)。そこにあまり違和感がなくて。逆にそれがちょうどいいというか」