趣里さんに慰めてもらっている感じです
――朝ドラは撮影も長丁場です。
「でも、僕は第22週からの登場だったので、本当の朝ドラ撮影の長さっていうのを直接的に感じたことは無かったんですけど、趣里さんと一緒にいると、その長さを感じるというか。終わった瞬間に、趣里さんからふと垣間見える疲れた表情とか。毎日大量の台詞を覚えて、スズ子という人間を演じていらっしゃった。そうした作品に少しでも関われたことが、今後の自分の俳優人生にも大切だなって思います。趣里さんとは僕が事務所に入る前に1回お会いしていて……」
――事務所のワークショップですか?
「そうですね。それ以降もプライベートでも良くして頂いていて、色々相談にも乗ってもらったりしていました。これまでは東京でしか会っていなかったんですが、今回、趣里さんは裏側でもほぼスズ子の役のままでした。スタッフさんも関西の方が多いので、ツッコミが強いんですよ。『なんでやねん!』みたいな。趣里さんもよくノリツッコミを裏でしているんですが、もう勝手に関西弁になっていて、なんか大阪のおばちゃんみたいになっていました(笑)」
――趣里さんを「師匠」と呼んでいるそうですね。
「僕は毎回、反省点ばかりが頭にこびりついてしまうタイプなんですけど、 そういうことを相談したり。お芝居って、何が正解なのかわからない中で、人それぞれ持論があるから、結局、どれが合っているのか分からなくなっちゃうことがある。そういう時、趣里さんに聞くと、『自分は自分でいい。やっぱり自分が楽しくやることが一番だ』って。だから、相談に乗ってくれるというか、僕が悩みを吐露してるのを慰めてもらっている感じです」
スズ子が歌うシーンをあえて練習風景から見たり
――趣里さんとの共演はこれが……?
「3回目です。ただ、こんなに直接的なシーンがあったのは今回がほとんど初めてで、すごく緊張しましたね。趣里さんは『今回のブギウギで発見も沢山あった』という話をされていましたが、とてもストイックで妥協を許さない方。それぐらい向き合っていかないと、良い作品は作れないんだなっていうことを改めて実感しました」
――掛け合いのシーンでは事前に相談や打ち合わせみたいなことは?
「そうですね。ちょくちょく『この台詞はどういう意味なんだろうね』という話もしていました。でも、一番は、趣里さんがその場で思っていることを、なるべく自分が感じ取れたらと。だから、スズ子が歌うシーンもあえて練習風景から見たり、趣里さんが台本を覚えている姿を見たりして。そうすることによって、 タケシ含め三浦獠太がしっかりスズ子さんと趣里さんから色々感じ取れたらいいなと思いながらやっていました」
――趣里さんと三浦さんの関係性が、スズ子とタケシの関係性に似ていたんですね。
「そうですね、その関係性は結構リンクできるものが自分の中であって。そこはすごくやりやすかったですし、趣里さんには本当に感謝です」