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うっかりミスで一気に開いた、解決の扉

 ひとくちに脱炭素と言っても、世界的な環境変動に対して日本がどう貢献するかという重要な観点だけでなく、それを達成するためにどのような手当てをしなければならないかという安全保障的な観点からの取り組みが欠けています。今回の自然エネルギー財団のやらかしにしても、福島原発事故に伴って原発に恐怖心を抱いた国民の不安を煽って原発再点検の名のもとに安全に稼働していた他の原子力発電所も止めてしまった旧民主党菅直人政権と、ソフトバンク・孫正義さんが決めたFIT42円/kWhがそもそも大きく国益を損ねる大失政だったことが遠因と言えます。

 この結果、LNGなど多額の化石燃料・エネルギーを輸入せざるを得なくなり、こんにちに繋がる無駄な再エネ賦課金が国民や企業に課されています。この政策で、日本の国益が大きく損なわれたことはよく理解する必要があるでしょう。

 一連の議論では、エネルギー安全保障界隈ではさんざん警鐘が鳴らされ続けたものであって、ただほとんど妄信的に再エネ振興に全振りしてきた河野太郎さんの政治的パワーに阻まれて改善が見込めなかったものが、中国国営企業のロゴが資料に混ざっていたといううっかりミスで一気に解決の扉が開いたのは「世の中そんなものかなあ」と感じてしまいます。今までの努力は何だったのだ。

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河野さんの突破力の源泉

 また、最後になりますが河野太郎さんについては「好漢、惜しむらくは」と私ごときが論ずるのもなんですが、河野太郎さんの育ちが良いこともあって、人を見る目がない、意見が合うだけで信用してしまう、意見の合わない人は排除する、意見が通らないと大声で恫喝する、という、河野さん固有の賢さと裏腹の人間的な未熟さとが絶妙なブレンドになっているように思います。

 私も河野太郎さんにはX上でも意見の相違からブロックされて久しいですが、イージスアショアの問題でも特定の誰かに焚き付けられて暴走し、結果として、専門家の議論を汲むことなく大臣として英断してしまって中国を利する結果になったのも見逃せません。

 規制改革についてもワクチンにしても河野さんの剛腕を評価する人は少なくありませんが、その突破力の源泉は河野さんの思い込みの強さと強引な政治手法にあります。

 それが通用する分野では仕事はできるけど、本件のようにそうでもない分野では河野さんのやってきたことは国益にかないません。河野さんの周りには国民に人気があるからきっと出世したら引っ張ってくれるだろうとぶら下がる人も少なくないのです。

 本当に日本の歴史に名前を残せる良い総理大臣を目指したいのであれば専門性のあるいろんな人の意見をもっと聴くなどして、独断専行や人の良さに付け込まれて意見の合う身内だけで周りを固めてインナーサークルを作るようなことがないようにして欲しいと願っています。