家の食器から異臭が漂っていた“驚きの原因”
――そんなことを言われるんですか。
すがちゃん 洗濯とか洗い物とかも、洗ったふりをするんですよね。
僕とおばあちゃんとで飯を食っていると、ときどき異臭がする時があって。それも食事をしている時だけなんです。だからある日、おばあちゃんが洗い物をしているのを隠れて見てたら、食器を洗わずにベロベロ舐めてたんですよ。それで、一通り舐め終わったらその食器を食器棚に戻していて。異臭の原因はそれだったんです。
――うわあ。
すがちゃん 嫌でしょ。
――ご家族の仲は悪くなかったんでしょうか。
すがちゃん 悪いというわけではないですけど、みんなでテレビを見たりとか、リビングで団欒、みたいな概念はなかったですね。ただ飯だけは全員で食ってたんですよ。飯ができたらみんなぞろぞろ集まって食って、食い終わったら自分の部屋に戻っていく、みたいな。
それぞれの部屋があったから、パーソナルスペースを触られるのがみんな嫌だったのかなって。
心を開いていないわけじゃないが、身内にも気を遣っていた
――個性的なご家族の中で、すがちゃんさんはどのような立ち位置だったのでしょう。
すがちゃん めっちゃ大人しかったですね。全然自分の意見とか言わないし、素直に喋れたのは伯母さんくらいでした。心を開いていないわけじゃないんですけど、とにかく気を遣ってました。
――人見知りのような感覚ですか。
すがちゃん ニュアンス的には人見知りに近いかもしれないです。初めて会う人とファミレスに行って、本当はケーキが食べたいのに「パフェ食べようよ」って言われたら「うん、パフェにしよう」ってパフェにするじゃないですか。ああいう感じです。
撮影=細田忠/文藝春秋