――すがちゃんさんにとって、お父さんはどんな存在ですか。
すがちゃん 「すがちゃん最高No.1」ですね。あれくらいわがままに豪快に生きるのもいいのかなって。なかなか難しいですけど(笑)。
「感動してるよ!」生い立ちを公表したあとの反響
――すがちゃんさんが今トリオでまとめ役をしているのは、「家族の中でしっかり者」だった幼少期の経験が影響していると思いますか?
すがちゃん どうだろう、半分くらいはあるかもしれないです。ギャル2人は、人間としての性質を大きく分けたら、親父と似ているタイプだと思うんです。すごく能動的に生きている、という点において。
だからあいつらが能動的に動いた時に「いやそれは違うんじゃない」とか反射的にツッコミが出るのは、育ちの影響もあるかもしれませんね。
――ご自身の生い立ちを公表されたあと、反響などありましたか。
すがちゃん とってもありました。応援してくれる層が広がった感じがします。僕、モテたくて芸人始めたのに、街を歩いていると声をかけてくれるのが40代くらいの男性ばっかりなんですよ(笑)。
この間コンビニに行ったら、昔やんちゃだったんだろうな、というおじさんに腕を掴まれて「感動してるよ! すがちゃん! 飲みに行こうぜ!」みたいに言われて。ありがたいんですけど(笑)。もっとキャーキャー言われたいのに。
「これってかっこいいぞ」という目線を持つだけで人生が少し楽しくなる
――今のすがちゃんさんにとって「家族」ってどんなものでしょうか。
すがちゃん 「いいな」と思いますね。この間、同期の家に行ったら、幸せの全てが詰まってたんですよ。めちゃくちゃ優しくて素敵な奥さんに、可愛い子どもが3人いて、でっかくてめっちゃしゃべる鳥と、犬だったか猫だったかがいて。カウンターキッチンみたいなところで同期と酒を飲んでいたら、下の子ども2人が「オリジナルダンス作ったから見て!」とか言って踊り始めて。
もうカルチャーショックというか「あ、家族って良いもんだな」と思っています。
――最後に、家庭環境に悩んでいたり家族との関係に悩んでいる人にメッセージをいただけませんか。
すがちゃん どんなことが起きても、「これってかっこいいぞ」という目線を少し持つだけで、少し楽に生きられたり、自分の人生を「楽しいもの」というパッケージにできるんじゃないかな、と僕は思っていて。
いろんなことがありましたけれど、僕はそうやって愉快に生きてきたところがあるので、このインタビューや、今度発売する僕の本が少しでも何かのヒントになれば嬉しいですね。
撮影=細田忠/文藝春秋