「いじめ防止対策推進法」が施行され三年。法律に基づく施策の見直しに当たってまとめられた有識者会議の提言が素晴しい内容なの!「自殺予防といじめの対応」を教職員の最優先業務に位置付けたほか、「いじめ対策組織」を機能させるため弁護士や退職した警察官の参画を促す等、実効性のある改善策が目白押しよ。
学校内でのいじめの情報共有を重視したのもポイントね。組織的な対応につなげるための情報共有なのに、責任が問われることを嫌って、教職員がいじめの情報を隠蔽してしまう傾向があるの。そこで、情報共有は「義務」であり、それを怠ったときは(地方公務員法に反するため)懲戒処分もありうるとの注意書きが。ここまで踏み込んだことに正直驚いたわ。「児童生徒の主体的な参画」にも言及しているし、文句の付けようがないくらいよ。
昨年度、全国の小中高校が認知したいじめは「過去最多の二十二万四千五百四十件」だと発表されたけど、本当はもっと多いはず。京都の九〇・六件(児童生徒千人当たりのいじめの認知件数)に対して、佐賀は三・五件と、都道府県によって最大二十六倍もの差があることも気になるわ。現行の定義では、「子どもが心身の苦痛を感じている」場合はすべていじめと認知するのに、それが徹底されていない学校があるのね。
早期に対応するためにも、認知件数の増加は肯定的に捉えられるべき。なのに「件数が多いことはマイナス」だと勘違いして、少なく見せかけようとする学校が多いのよ。一年間で一件もいじめがなかった学校が三六・九%もあるなんてあり得ないこと! だから今回の提言にも、認知件数の少ない都道府県に対して、「文科省が個別に確認・指導を行う」との記述があるの。本当に画期的ね。これがきちんと法律や政策に反映されるよう、監視していかなきゃ!