税収の範囲内で支出する財政均衡主義という「教義」を掲げ、政治家や国民を洗脳する「ザイム真理教(財務省)」こそが、日本を貧困化させている元凶だと批判した本書。昨年末にステージ4の膵臓がん闘病を公表した経済アナリストが著し、ヒットを続けている。
「大手出版社に原稿を持ち込むもこのテーマでは出せないと、ことごとく断られたそうなんです。私はひとりで出版社をやっていますから圧力がかかってもかまわない。財務省の主張を宗教に見立てたところがおもしろいし、これは世に問うべき本だと思いました」(担当編集者の中野長武さん)
著者は東京大学経済学部を卒業後、日本専売公社(現JT)に入社。当時の専売公社は大蔵省に予算を握られており、絶対服従だった。そうした体験を原点に、なぜザイム真理教が生まれ、どのように国民生活を破壊したか、公的統計や資料に基づき丁寧に紐解く。通貨発行益の活用、消費税の撤廃等、日本経済を好転させる方法も提案している。
「著者によるラジオ出演時の宣伝が初動につながりました。また本書はがん判明前に書かれましたが、闘病中に執筆した第2弾『書いてはいけない』の刊行も後押しに。読者からは『全く知らなかった』『よくぞ言ってくれた』といった声が届いています。著者の命がけのメッセージを読んでほしいです」(中野さん)