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訴状が明らかにする水原容疑者が違法賭博に手を染めた瞬間

 それは、2021年9月8日、訴状で“ブックメーカー2”と示されている胴元が、水原容疑者に賭博用のアカウント番号やパスワードを提供したことに始まる。違法賭博のギャンブラーは本名ではギャンブルしないため、アカウント番号が提供されるという。アカウント番号を得た水原容疑者は、9月24日にサッカー賭博をし、“ブックメーカー2”に「UCLAに賭けたが、完敗した」とメッセージを送っている。

かつては教科書にも取り上げられていたのだが… ©時事通信

 水原容疑者は電信送金をしたとされているが、違法賭博を始めるまでは電信送金をしたことがなかったようでもある。2021年10月31日のメッセージでは、胴元に支払いが遅れていることを謝り、「電信送金をしたことがない」と話している。その後も、電信送金が上手くいかなかったのか、「銀行に電信送金をキャンセルされた」「Paypalで送金する」「あらゆる方法を試したが送金できない。とてもストレスを感じている」などのメッセージを送っている。

 しかし、2021年11月10日には「4万ドル送金できた」と伝えており、その後も、「PaypalのXoom serviceで5万送金するリクエストをした」など送金ができるようになった様子が窺える。

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 2022年からは、冒頭の“バンプ”というスラングが頻繁に登場するようになる。1月2日には、「全部負けた」という水原容疑者に対し、“ブックメーカー2”は「“ブックメーカー1”は5万バンプすると言っている」と水原容疑者に賭博を促すような甘い言葉を囁いている。

 1月15日には、水原容疑者は胴元に対し「くそう、全部負けた。5万バンプできるかブックメーカー1にきいてくれ。負けたら、暫くの間は、それを最後にするつもりだ」とバンプを要求。

 負け金も膨らんでいったのだろう、2月4日には「すでに10万ドル負けたので、30万ドル送金した」と伝えている。

 2月28日には、胴元が水原容疑者に20万ドルが届いていないので送金するよう要求。ギャンブルにのめり込み始めている水原容疑者の足元を見てか、胴元は負け続ける水原容疑者に対し「Freeplayをあげよう」と伝えている。Freeplayとは、ギャンブラーが負け金の支払いを求められない賭けを指すという。