最後は、Nintendo Switch版の動作問題である。『サガエメ』は複数のハードで発売されることになっており、PS5版とPC版は快適に遊べるようだ。しかし、Nintendo Switchでは動作も遅くロードもだいぶ長い。
幸いなことに、Nintendo Switch製品版はパッチで動作がいくらか改善されたと報告されている。とはいえ、可能であれば貴重な可処分時間をロードの闇には消したくないものだ。
そもそも「サガらしさ」はすべての人に理解されるわけではない
では、『サガエメ』がクソゲーなのかといえば、私はそうではないと考えている。高難易度のバトルのおもしろさは確実にあるのだ。
そもそも、「サガ」シリーズは尖ったRPGである。誰でもクリアできるようなゲームとは正反対で、ものによっては余裕で詰み状態になりかねないのだ。物語の進行方法がわかりにくかったり、バトルシステムが理解しづらかったりするのである。
たとえば『ロマンシング サ・ガ』は巣を掘り返したアリのように大量の敵が出てくるし、『サガ フロンティア2』はミニゲームとなるシミュレーションゲームで挫折しうる。どこでもセーブできる作品が多く、それゆえにラスボスに勝てず詰みになることもしばしば。まるで罠のようなシステムだ。
PS2で発売された『アンリミテッド:サガ』は特に異質で、最初は「サガ」ファンすらついていけなかったようだし、クソゲーと呼ばれ投げ売りされた。かつての福袋の常連タイトルであり、「108円で買えるゲーム」とよく言われていた。一方で、やり込んだプレイヤーはその魅力を発掘している。
『サガエメ』は約8年前に発売された『サガ スカーレット グレイス 緋色の野望』のシステムを受け継いだ作品で、キャラクターや世界設定などを豪華にした続編に近い存在である。その前身となる作品も、はっきりいってわかりにくいタイプの作品だ。
ただ、「バトルシステムがおもしろいからOK」というなかなかぶっ飛んだゲームなのである。