〈あらすじ〉
40代の脚本家アダム(アンドリュー・スコット)は、ロンドンのタワーマンションの27階で暮らしている。12歳の時に両親を交通事故で亡くして以来、孤独な人生を送ってきた。現在は、在りし日の両親の思い出に基づく脚本を執筆中だ。幼少期に住んでいた郊外の家を訪れると、そこには30年前に他界したはずの父(ジェイミー・ベル)と母(クレア・フォイ)が当時のままの姿で暮らしていた。それ以降、アダムは頻繁に実家に通い、満ち足りた時を過ごす。
一方で、同じマンションに住んでいるという謎めいた青年ハリー(ポール・メスカル)と出会い、情熱的な恋に落ちていく。しかし、夢のような日々は永遠には続かなかった。
〈解説〉
孤独な主人公の愛と喪失の物語。脚本家・山田太一の長編小説「異人たちとの夏」を、現代イギリスを舞台に映画化。脚本・監督は『さざなみ』『荒野にて』のアンドリュー・ヘイ。105分。
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中野翠(コラムニスト)
★★★☆☆山田太一さんの『異人たちとの夏』に触発されたそうだが、だいぶ別物。主役と恋人役にもう少し魅力があれば……。残念。
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芝山幹郎(翻訳家)
★★★★☆メランコリーの水源を探りつつ、過去と現在を冷静に繋いでいる。「文芸映画」の自己耽溺を巧みに切り抜けたのも賢明。
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斎藤綾子(作家)
★★★★☆静かな空間と時間の中で濃密な孤独が浮遊する想いを呼び寄せる。謎を解く面白さも含めて、原作を知らなくても満喫。
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森直人(映画評論家)
★★★★☆美と死とロマンが濃厚に香り立つ。原作の説話構造を基にひとりの映画作家が「自分のうた」を歌った素晴らしい変換。
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洞口依子(女優)
★★★★☆「死は生を豊かにするもの」という山田太一原作の真髄をやっと解読できた気分。メスカルの好演に際立つ人物群のエッジ。
- もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
- 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
- 料金の価値は、あり。★★★☆☆
- 暇だったら……。★★☆☆☆
- 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
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異人たち(英)
4月19日(金)より全国公開
https://www.searchlightpictures.jp/movies/allofusstrangers