そういえば、北陸新幹線が延伸したらしい。いまさら、と言われるかもしれないが、今年の3月、北陸新幹線はこれまでの終点だった金沢からさらに伸びて、いまでは敦賀駅までを結ぶようになった。東京から敦賀まで、新幹線で乗り換えナシで行くことができる、というわけだ。

 といっても、いきなり敦賀に行く用事を見つけるのは難しい。かつては大陸方面に船が出ていて、最終的にはヨーロッパまで結ばれていたというが、それも遠い昔の物語。いま、敦賀に行っても海は渡れない。

 ならば、福井駅である。いうまでもなく、福井県の県庁所在地のターミナル。北陸三県というと、だいたい富山・石川・福井の三県のことを指す。その中で、ただひとつ新幹線が通っていなかった福井にも、新幹線がやってきた。そういうことなら、新たな県都の新幹線駅である福井駅、訪れてみるしかないだろう。

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北陸三県“ただひとつ新幹線が通っていなかったターミナル”「福井」には何がある?

今回の路線図。東京から敦賀まで、新幹線で乗り換えナシで行くことができるようになった北陸新幹線。今回は「福井」へ

 できたばかりの福井駅新幹線ホーム。もちろん他の新幹線駅と同じように、立派で真新しい高架のホームだ。少し見下ろすところには在来線の高架ホームがあるから、この駅の中ではひときわ高いところに設けられているのだろう。

 ただ、ホームそのものは1面2線で、金沢・東京方面行きの列車と敦賀行きの列車がホームに向き合って停まる構造。県都の新幹線ターミナルにしてはだいぶシンプルだ。このあたりは、在来線とえちぜん鉄道の高架ホームに挟まれているという、スペース的な事情が関係しているのだろうか。

 ホームから階段を降りてコンコース。駅の東西を結ぶ高架下の自由通路の向こうには商業施設の類いも入っていて、このあたりは実に新幹線の駅らしい、そして県都のターミナルらしい賑わいぶりを見せている。人の流れはどちらかというと西側へ。福井の中心市街地は、駅の西側に広がっている。

 その福井駅西口の広場。出迎えてくれたのは、恐竜である。バスターミナルも設けられている広大な駅前広場の一角には、恐竜たちのオブジェが展示されている。

 

 福井県には恐竜博物館があって、いわば恐竜好きにとっては聖地のような町。「恐竜王国」などとアピールもしているほどだ。だから、駅前に恐竜のオブジェが展示されていることには何の不思議もない。観光客なのか、子ども連れのファミリーも恐竜の前で写真撮影に興じている。