「そろりそろり」「あむあむ」など和泉元彌のモノマネで人気を博したチョコレートプラネット・長田庄平を和泉元彌はどのように思っているのか。長田と初めて会った時のこと、そして騒動を乗り越えつかんだ幸せな日々を語った。(全3回の3回目/1回目、2回目を読む)
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チョコプラ・長田さんを初めて見た印象を教えて下さい
――2018年ごろからチョコレートプラネットの長田庄平さんが、和泉さんのモノマネをされています。はじめて見たときはどう思いましたか?
和泉 最初は僕の顔マネをしている長田くんがテレビに出ているのを偶然見たのが始まりです。その数年後、周りから「あむあむ」(柿を食べるものまね)」とか「そろりそろり」がすごく似ているね! って言われたので自分でもYouTubeを観てみたんですけど「そうか、こう見えてるんだ、皆さんが思う狂言のイメージってこういうことなのかな」って思いました。でも僕から見たら「構え」が違うし、抑揚も違う。これ和泉流じゃないなというのはすぐ感じたんです。だから、似てる似てないで言ったら顔と雰囲気は似てるけれど、和泉元彌のマネっていうなら和泉流宗家の型でモノマネをやってもらわないと、とは思っていました。
――「そろりそろり」は、元々ある言葉なんですか?
和泉 そうです。でも「そろりそろりと参ろう」とか、「そろりそろりと濯ぎものを…」って台詞のほんの一部なんですよ。ワンセンテンスではないので、長田くんはきっとどの狂言師よりもあの2年くらいは「そろりそろり」を言った人だと思います(笑)。狂言ではあんなに何度も「そろりそろり」を言わないので。
――長田さんがモノマネをされてから、ご本人と対面する機会はありましたか?
和泉 会いました。大ブレイクされてからたぶん1年くらい経った頃じゃないですかね。長田くんがモノマネをはじめてからいろいろなオファーを頂きましたが、「共演するんだったらまず和泉流じゃない所があるから直させて欲しいので、稽古指導の時間がとれるなら」と言ったら、ある番組だけ「稽古の時間を取ります」と言って頂けたので共演しました。
「チョコプラ・長田は元彌さんのお墨付きですか?」
――お会いした瞬間いかがでしたか?
和泉 当時から怒りというより自分も楽しんで見ていたので、「和泉元彌のモノマネだというなら手の形は握ってくださいね。柿の食べ方も手を動かさないですよ」って稽古して。ただ、「『あむあむ』だけは元彌さんより動かないと地味になるんでこっちでいいですか?」と聞かれたので、「勝手にすれば(笑)」と。その後、周りから「元彌さんお墨付きですか?」「公認ですか?」と聞かれましたが「正式に非公認です」とはっきり言いました(笑)。