本木 うーん、10年って言ったのは大袈裟だったな。外孫、内孫という考えに戸惑いつつも、それでも実家に通い続けている中で、徐々にパーソナルなあなたの自然な魅力に惹かれるようになったんだと思う。いつの間にか私よりあなたと母との会話のほうが続くようになっていったよね。樹木さんのおおらかさと賢さも、同じいち女性の魅力としてどんどん理解が深まった。そういう人たちに雅弘は囲まれて幸せだと心から思ったんじゃないかな。
お互いに親孝行ができたなと感じた瞬間
内田 お義母さん、密葬の日にも母の居間で、つぶやくように言ったの。「しみじみと思っているのよ。最初は寂しかったけど、雅弘が也哉ちゃんたちの内田家に入ってよかった。本当にありがとう」って。本木さんはそれをどう感じたの?
本木 やっぱりホッとしたよ。お互いに親孝行ができたなって、純粋に。母には、私たちが崖っぷちどころか、もう崖ごと崩れ落ちるぐらいの大きな夫婦喧嘩をしているとか、ぎりぎりのところで繋がっているという現実を何も知らせていないわけで。
※「明け方の4時まで続くことも」あったという夫婦の危機や、仲裁に入った樹木希林さんが「裕也のほうがまだすがすがしかった」と語った理由、本木さんが内田さんに求める像、そしてお互いの「死」についてなど、全21ページにわたる対談の全文は「週刊文春WOMAN2024創刊5周年記念号」でお読みいただけます。
うちだややこ/1976年東京都生まれ。エッセイ、翻訳、作詞、ナレーションのほか音楽ユニットsighboatでも活動。著書に『会見記』『BROOCH』『9月1日 母からのバトン』『なんで家族を続けるの?』(中野信子との共著)など。翻訳絵本に『点 きみとぼくはここにいる』『うみ』など。本木との間に二男一女がいる。
内田也哉子『BLANK PAGE 空っぽを満たす旅』(文藝春秋)
母・樹木希林と父・内田裕也をたてつづけに喪った。独りで歩きだす背中をそっと押す、15人との〈一対一の対話〉。小誌人気連載が待望の書籍化。
もときまさひろ/1965年埼玉県生まれ。81年デビュー。アイドル歌手として活躍後、本格的に俳優の道へ。自ら発案し、日本アカデミー賞主演男優賞も受賞した映画『おくりびと』(2008年)は、邦画初の米アカデミー賞外国語映画賞を受賞した。2024年は、倉本聰が35年ぶりに映画脚本を手掛けた『海の沈黙』に主演予定。
text: Atsuko Komine
photographs: Kenshu Shintsubo
make-up: COCO(Yayako)
2023年の読まれた記事「家族部門」結果一覧
1位:「雅弘が内田家に入ってよかった」と本木の母が… 内田也哉子と本木雅弘が初の夫婦対談で語った“婿の言い分・妻の言い分”
https://bunshun.jp/articles/-/70558
2位:生田斗真(39)は「清野菜名と過ごす家で…」ベテラン勢“続々独立”のウラで際立つ“生田ファミリーのバックアップ”
https://bunshun.jp/articles/-/70557
3位:「私はお父さんの子どもじゃないんだ」父・赤井英和とは14年間会えず…赤井沙希(36)が幼少期に抱いた“複雑な思い”
https://bunshun.jp/articles/-/70556
4位:“肉体派女優”は両親から「格差婚」に猛反対され…確執を乗り越えた松坂慶子が「90まで女優をしたい」と語る理由
https://bunshun.jp/articles/-/70554
5位:「若い男性と親密な関係」「夫から手を出された」上原多香子が夫との警察沙汰で今井絵理子の実家に逃げ込んだ
https://bunshun.jp/articles/-/70553
【週刊文春WOMAN 目次】特集 母と娘って。/内田也哉子が聞く、本木雅弘「婿の言い分」/peco×窪美澄/稲垣吾郎×市川沙央/岡村靖幸×ヴィム・ヴェンダース/香取慎吾表紙画 全20作 ミニ画集
2024創刊5周年記念号
2023年12月22日 発売
定価770円(税込)