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全国で25あるというブラックホール型自治体は…

 だが、新たに「ブラックホール型自治体」に分類された。人口戦略会議は、転入がないと20~30代の女性が半減するという定義を新設。これに当てはまったからだった。

 全国で25のブラックホール型自治体が名指しされており、列挙すると次のようになる。

 北海道・喜茂別町、占冠村。

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 埼玉県・蕨市、毛呂山町。

 千葉県・浦安市、酒々井町。

 東京都・新宿区、文京区、台東区、墨田区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区、渋谷区、中野区、杉並区、豊島区、北区、荒川区、板橋区、練馬区、青ヶ島村。

 京都府・京都市。

 大阪府・大阪市。

 東京では23の特別区のうち16区がこれに当たるとされ、東京の区部はさながら巨大なブラックホール地帯の様相である。

 小池知事は「東京で働いて、そして家庭を持つようになると近隣県の方に引っ越しをされて、そこで子育てをされるというのも結構典型例だというふうに思うのですね」と、定義や分類への異論を述べた。

小池百合子都知事 ©時事通信

 都内への流入人口が多いのは大学進学時と就職時だ。独身のうちは都内に住む。ところが、結婚して子供が生まれると、広い家に移ったり、子供が遊べる環境を求めたりして、千葉、埼玉、神奈川県などへ転出する人が多い。出産適齢期の女性は都外に転出する傾向があるのだ。

 つまり、首都圏というエリア全体で見た場合、東京は流入の入口になっており、ファミリー世帯は首都圏全体に定着する。こうした人口動態を考慮したうえでブラックホールという指摘がなされているのか。小池知事の発言は言葉足らずではあるものの、そうした実態を指摘して反論したのだった。

「東京都により集積させていくのはコストが高い状況を作り出す」

 また、小池知事は「ブラックホールというキャッチーなネーミングを使い、だけど、じゃあ(人口戦略会議が)何を目指しているのですかというのは分かりにくいと思います」とも発言した。

 キャッチーなネーミングが好きなのは、そもそも小池知事だと言われている。が、その小池知事をして「キャッチー批判」をさせるのだから、人口戦略会議の宣伝戦略もなかなかなものだ。

 一方、千葉、埼玉、神奈川県といった東京周辺の自治体にとっては、このところの東京都の動きが大いに気になっている。018サポート(18歳以下の都民に月5000円を支給)、高校授業料の実質無償化など、豊富な法人税収入を背景に給付的事業を拡大させているからだ。