佐藤二朗に「絶対にこのシーンは外せない」と思わせた河合優実
河合の強い思いを感じるエピソードを披露したのは、佐藤だ。
予告編の冒頭にも流れる、泣き叫ぶ杏を、多々羅が抱きかかえ、「大丈夫、大丈夫」と優しく宥めるシーン。
「撮影前に河合さんがいきなり僕のところに来て『いいですか?』と、両手で僕の手を握ってきたんです。後日、取材でご本人が『大事なシーンを演じる前に、相手役の体温を感じたかった』とおっしゃっていたんですけど、あのときの僕も河合さんの気持ちをすごく感じて。
後輩にこんなことをされたら、絶対にこのシーンは外せない、良いものにしたいという気持ちが芽生えたんです。そういう気持ちにさせてくれた河合さんに、僕はすごく感謝をしています」(佐藤)
初めて聞くエピソードに監督も驚愕し、稲垣も「これを言うのはすごく勇気のいることで、その思いが芝居にも、絵にも出ていますよね。本当にすごい」と絶賛。
「あんまり言うと、そう思って皆さんが見ちゃうから、ちょっと忘れてください」と河合が照れる一幕もあった。
「それ、さっき吾郎ちゃんとも話していたんだよ」
社会の暗部を照らすシリアスなストーリーの一方で、撮影現場は和やかな雰囲気で進んだ。だが、撮影から1年半が経ち、改めて振り返ると見え方が変わったという3人。
「こういう題材だからといって、話さないようにしようとか、気持ちを閉ざすことは全然なくて。和気あいあいと撮っていた記憶があったんですけど、今日おふたりとお話をして、やっぱりこんなに楽しく話してなかったと思って」と河合が言うと、「それ、さっき吾郎ちゃんとも話していたんだよ」と同意する佐藤。
「役によっては、共演者と話さないタイプの俳優の方もいらっしゃるんですけど、この3人はそうじゃなくて。でも、今日会った河合優実が、ものすごく明るく見えたんですよ。撮影現場では、やっぱり(役柄を)主張していたんだなって感じました」(佐藤)
デビュー当時からや親子3代も…ファンは「すごくありがたい」
最後に刑事・多々羅との出会いによって運命を切り開いていく少女の物語にちなみ、運命を変えた出会いについて、4人に質問が及んだ。
会見前日に55歳の誕生日を迎えた佐藤は「妻です!」と即答。
役作りのため減量中の佐藤は、普段は発泡酒1缶で抑えているところ、妻から誕生日プレゼントとして、エビスビールの350ml缶を1本もらったと言うエピソードを披露。
河合が語ったのは、デビュー前の出会い。