――年齢が近い人とは話せるけど、歳の差があると何を話したらいいか分からない、という人も多いですよね。
ハセン ジェネレーションギャップは、価値観が合わないから生まれるのではなく、対話をしていないから生まれるものだと思っています。「なんでこの世代は、こういう価値観の人が多いんだろう」と探ってみると、対話の糸口が見つかるはず。全てを理解するのは難しくても、理解できる部分だってきっとあるはずです。
あとは、目の前の相手がどんなときに、どんなものに感情が動くのかを探るのも、対話のヒントになると思います。心が動くきっかけは違えど、人の喜怒哀楽は誰にでもある普遍的な感情だと思うので。
なぜ「対話力」について発信するのか「社会が良くなっていく」
――年齢や肩書きではなく、「1人の人間」として向き合うのが良い対話につながるのですね。最後に、読者に向けてメッセージをいただけますか。
ハセン 今回出版した書籍の帯に、「出会った全ての人から、最高の学びと信頼を得る!」と書かせていただきました。これは、僕自身が本当に実感していること。対話は、キャリアや人生を前に進めるために必要なスキルです。
そして、対話を通して人生をポジティブに捉えられたら、自分のことを好きになれます。そのポジティブなエネルギーは周りの人にも伝播して、前向きな人が増えていく。つまり、対話力のある人が増えると、社会が良くなっていくと思うんです。だから、このインタビューや僕の書籍が、みなさんが楽しく前進するためのヒントになれば嬉しいですね。
僕自身も、もっとやりたいことがあるので、これからも対話を通して可能性を広げていこうと思います。
今後、海外での活動に挑戦したい
――これから新たにチャレンジしたいことがあるのですか?
ハセン 海外に挑戦したいですね。さきほどジェネレーションギャップの話が出たけれど、海外と日本のギャップはそれ以上です。言語も、宗教観も、何もかもが異なります。そこでの対話の難易度は、日本国内とは比べ物になりません。そんなところでチャレンジするなんて、少し前の僕はハードルが高すぎると思っていました。
でも、育休をとったり、スタートアップに転職したりと、チャレンジを重ねてきた今の僕なら、海外での活動も不可能じゃないはず。具体的にどこに行って何をするのかは、まだまだ分かりませんが、僕が新たな一歩を踏み出すことで、誰かにとっての新しいロールモデルになりたいな、と思っています。
撮影=松本輝一/文藝春秋
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