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「昔は『安住さんみたいになりたい』と思っていたけど…」元TBSアナ国山ハセン(33)が、“自然体の自分”を愛せるようになったワケ

国山ハセンさんインタビュー #2

2024/05/25

genre : エンタメ, 芸能

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 でも、もっと自分を信じて突き進んでもいいんじゃないかなって。もちろん、人に迷惑をかけるような言葉や行動は避けたほうが良いですけど、自分にも周りにも素直でいると、もっと生きやすくなると思うんです。

――ご自身が自分に素直に生きる姿を見せることで、「意外とリスクないでしょ? むしろ人生楽しそうでしょう?」と伝えたい、ということでしょうか。

ハセン はい。意外と周りは人のことを気にしていないんですよ。だったら、自分の本音に従って生きたほうが楽しいじゃないですか。そう思ってくれる人がいると嬉しいですね。

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「大企業は手取り足取り教えてくれるけど…」転職後に困惑したこと

――そのほかに、転職前後で変わったことはありますか?

ハセン 転職した当初は、コミュニケーションの取り方の違いに戸惑いました。例えば大企業だと、分からないことがあったら手取り足取り教えてくれる。でも、スタートアップは、自分から声をあげていかないと困っていることにすら気づかれません。そして質問しても、誰も解を持っていないことがしばしばあります。

 だからまずは、素直に質問する。それで解が得られなかったら、ヒントになりそうな情報を集めて、自分なりに考えて行動する、というのを意識しています。転職してからのほうが、より複雑なコミュニケーションが求められるようになりましたね。

 あとは、転職したことで、さらにフラットに物事を見られるようになったと思います。僕は先入観がないほうだと思っていたけど、それは驕りだったなと気づけました。

「テレビ局にいることで、上から目線で物事を見ていた」

――驕りだった、とは?

ハセン 自分はテレビ局にいることで、上から目線で物事を見ていたんだなって。例えば、テレビだとキャスティングして断られることはほとんどないんですよ。さらに、「これくらいの時間で、このテーマについて、こんなことを話してほしい」と出演者に細かく注文もつけます。

 でも今は、出演依頼をして断られることもありますし、相手に細かく注文をつけることもありません。

 キャスティングがうまくいっていたのは、僕の力じゃなくてTBSの力だったし、面白い番組になったのは、僕の対話力が高かったからじゃなくて、構成や演出が良かったから。そういうことに、転職してから気がつきました。

 

 どうしたら出演してもらえるのか、どうしたら欲しい話を引き出せるのか、どうしたら視聴者に面白いと思ってもらえるのか。スタートアップに転職したことで、より深く考えるようになりました。

――今は、より純粋な対話力を試される環境だと。

ハセン 対話って、自分が想像していた以上に奥が深いなと痛感しました。とは言え、TBS時代に積み上げてきたものがあったから、今のところ極端なギャップは感じていないです。むしろ、やりがいが増しましたね。

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