ーー2人の娘を持つ元子役としてお聞きしたいのですが、彼女たちが芸能界に興味を持ったら応援しますか?
内山 正直やめてほしいですね。自分から「やりたい」って言い出したら、「しょうがない」っていうか、やりたいことは応援してあげたいっていうのはあるんですけどね。やっぱり、子供ですから。でも、できることならやめてほしい。
ーーなぜ。
内山 すごく魅力のある仕事なのは確かですよ。ただ、売れても大変だし、売れなくても大変なんですよ。それは、僕が身をもって知りましたから。売れたら売れたでその状態を持続するのは並大抵なことでないし、売れずにオーディションも落ち続けると、「自分って、ダメな人間なのかな」って思ってしまう子もいるんです。そういった子もいっぱい見てきましたしね。
習い事の一環みたいにやれるぐらいだったらいいけど、やるからには売れたいし、売れてほしいものじゃないですか。
ーー子供の頃に芸能界に進むのは勧められないと。
内山 大人になって、女優やタレントになりたいと目指すのは勝手だし、「どうぞ」って話ですよ。でも、子供の頃は普通に子供でいてほしい。ただでさえ繊細な時期に、仕事に恵まれなかったら自己肯定感下がりまくりですもん。
「どうかしてたけど『いい時代だったな』としみじみしちゃうことがあるんですよね」
ーー「やりたいことは応援してあげたい」とおっしゃいましたが、親のそうした気持ちが良くも悪くも影響しそうですしね。
内山 自分の子供以上に、親の自分がのめり込むんじゃないかって怖さもあるんですよ。
なまじ業界を知ってるじゃないですか。自分の子供が子役になって「◯◯って番組で落とされた」なんて聞かされたら、どこのスタッフなのか調べようと思ったら調べられちゃうし、「なにー!」ってなってしまうのも怖い。そうなったら、子供も振り回されるじゃないですか。
ーーでも、親が芸能人ですと子供も芸能界に興味を抱きそうな気もしますが。
内山 今まさに恐れてることがあって。僕、平愛梨ちゃんと祐奈ちゃんの姉妹や吉田沙保里さんと仲がいいんです。こないだも家に遊びに来てくれて。でも普通に芸能人が家に来るのって、普通のことじゃないじゃないですか。まだ娘はそんなことわかりっこないですけど、すこし大きくなってそれが当たり前だと勘違いしないでほしいですけどね。
とりあえず、芸能界を目指しても目指さなくても、娘たちが小学校の高学年になったら、どうかしていた時代を生きた僕の経験を踏まえた話をしたいと思ってます。
でも、どうかしてたけど「いい時代だったな」としみじみしちゃうことがあるんですよね(笑)。どん底も味わったけど、間違いなく楽しいこともあったんで。
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