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中部国際空港のすぐとなり…名鉄“ナゾの通過駅”「常滑」には何がある?

空港のある半島、知多 #1

2024/05/27

genre : ライフ, , 社会, 歴史

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 空港のほんの手前の駅ではあるが、お客がけっこう降りてゆくところを見ると、ターミナルとしての存在感はまったく健在のようだ。高架下の改札の向かい側にはちょっとした商業施設ゾーンがあって、さらに駅の西側の駅前広場の傍らにもスーパーマーケットや飲食店が並んでいる。

 とはいえ、それ以外に目立つものがあるのかどうかと言われると、なんとも微妙なところだ。背の高いビルは少なく、そのせいで空が広く感じられる。西口側をしばらく歩いて見ると、駅の北側にLIXILのオフィスや工場が見えてきたが、反対の東口となると駅前広場も存在しない。妙に空き地が目立つところは、これから東口にも駅前広場を設けようという計画があるのだろうか。

 

線路と並行する通りを南へ「すぐ脇にはもう海が見えてくる」

 そんな常滑駅の東側には、線路と並行するように北から南へと交通量の多い通りが走っている。この道を、少し南に歩いてみよう。とりたてて何があるわけでもない大通りから路地に入ったりもしながら南にゆくと、常滑市民文化会館という立派な建物があって、そのすぐ脇にはもう海が見えてくる。

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 海といってもだいぶ内陸に食い込んだ港のようなものだが、ボートがいくつか並んでいるあたり、常滑という町は港町だったのだろうかと思わせる。すぐ脇を、名鉄の高架線の上を空港目指して列車が走ってゆく。

 さらに名鉄の高架の奥からは、何やら雄壮なモーター音が響いてくる。そこにはボートレース場があるようで、モーター音はモンキーターンを決めているボートたちなのだろう。

 

 ちなみに、常滑駅と空港の間にはりんくう常滑という駅がある。空港島と常滑の市街地の間に設けられた埋立地にある駅で、周囲にはイオンモールが広がる。空港開港から遅れること10年、2015年にオープンした巨大な商業施設だ。きっと名鉄に乗ってイオンまでやってくる人も少なからずいるに違いない。