中野 僕のコスプレ自体がネットミームとしてひとり歩きしているんですよね。以前空也上人のコスプレをしていた時はまだSNSが全然なかった頃ですが、インターネット上に存在する面白画像みたいな感じでよくネット上に出回っていました。
なんならネット上の「コミケのおもしろいコスプレイヤー」みたいなまとめ記事に、行っていない年も含めて毎年のように写真が上がっていましたね。
――「インターネットの空也上人の人」だ。
空也上人で検索すると、まず「中野さん」が出ていた時期も…
中野 一時期、「空也上人」で検索すると自分の写真がトップに出ていました。さすがにこれはちょっと申し訳ないなぁと。
――おもしろすぎる。でも、しばらくやっていなかった空也上人コス、復活したのはどんなきっかけがあったんですか。
中野 JR東海の「そうだ 京都、行こう。」キャンペーンの一環で、「空也上人大集合展」が昨年5月に行われました。 東京駅のイベントスペースに、空也上人像の写真を使った47都道府県のご当地空也上人のパネルが林立して、精巧なレプリカが設置されるようなイベントだったんですけど、その中で「動く空也上人が登場する」とあったんです。
動く空也上人が来るなら、こっちは空也歴12年だから一緒にあわせたい気持ちがあり、JR東海に「空也上人の仮装して伺ってもよろしいでしょうか」とメールしました。そうしたら先方も僕のことを認識してくださっていて、快い返事をいただけた。そのために裁縫が得意な友人に依頼して、衣装も全部作り直しました。
でもこのイベントの際にレプリカや動く空也上人像と合わせたら、私の空也上人の衣装の裾がちょっと短かったのが悔しくて。所有する資料とか展示で見た空也上人像の記憶から、図面で発注して作ってもらったものでしたがどうしても気になってしまい、次の夏のコミケにはもう一着作り直しました。
――熱量がすごいです。どうしても妥協できなかったんですね。