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「年収が5本いった年も」代ゼミのカリスマ世界史講師が語る90年代の狂乱の“予備校バブル”のリアル「あの頃に文春があったら終わってたかも…」

代ゼミ世界史講師・佐藤幸夫氏インタビュー#1

2024/06/16

genre : ライフ, 社会

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──潰し合う教科もあるんですね。

佐藤 基本的には競争相手ですから。当時はどこの予備校も同じだったと思いますよ。今は取り合うほどの生徒数ではなくなったせいか、仲良くやっているようですが……(笑)。でも、世界史は平和でした。しかも僕が映像授業を始めたあと、神のような二大巨頭がお辞めになったんです。その空いたところのコマを、なぜか僕に持たせてくれました。

©文藝春秋

 ふたつめのラッキーは、「生徒が多くて賑やかだった《予備校バブル最終章》を経験できた」こと。これは大きいですね。

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「茶髪のロン毛に紫やピンクのド派手スーツ、バブったままのスタイルで教壇に」

──当時の代ゼミは個性的な先生が多かったですよね。

佐藤 駿台さんや河合塾さんの真面目な先生と比べると、代ゼミはどの教科にも、個性的というか……変な先生がいっぱいいました(笑)。だから、僕も目立たなきゃと頑張ってました。だって当時の僕の恰好といったら「バブルそのまんま」ですよ。

──歩くバブルみたいな?

佐藤 ほんとに。バブル当時のファッションがどんなのか、知ってます? 今見ると笑っちゃいますけど、スーツには肩パッドが当たり前、女性はボディコン&ジュリアナ扇子でお立ち台……みたいな時代ですよ。

©文藝春秋

 で、僕は他に社会人経験がないまま予備校講師になったので、茶髪のロン毛に紫やピンクのド派手スーツ、バブったままのスタイルで教壇に立つんです。ディスコ帰りそのままという感じで、社会不適合者といわれても、「ハイ! そうでした……」としか言えません(笑)。

 それで授業してましたから、今思うと浮わついてましたねえ。よく遊んだし。楽しかったけど、もしあの時代に文春があったら、終わっていたかもしれませんね。

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。

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