代ゼミ世界史講師・佐藤幸夫氏のプロフィールには“世界一周は19周め、訪問国は102カ国、訪れた世界遺産は300カ所超”とある。「コロナ禍になるまで30年弱、毎年海外を巡っていた」という佐藤氏が語る、忘れられない特別な2つの国とは。(全4本の3本目/4本目を読む)
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──佐藤さんは世界旅マニアだとか。
佐藤 そうなんです。僕には「世界史の教科書に載った場所すべてを訪れたい」という夢があって、1992年からコロナ禍の2020年まで、毎年2~3月は海外巡りをしていました。
──海外巡りを約30年ですか。訪れた国はすごい数になりそうですね。
佐藤 今までに行った国は、珍しい国として北朝鮮やシリア、ジンバブエなどを含めて102カ国。世界一周は19周めに入ったところでコロナが拡大して、スペインから途中帰国したんです。
野生のライオンやハイエナがいる地域で立ち往生
──佐藤さんにとって一番印象が強いのは、どの旅ですか?
佐藤 忘れられないのは、アフリカのマリ共和国。今は退避勧告地域になりましたが、僕は2007年にひとり旅で行きました。マリには、かつて黄金郷として栄えた「トンブクトゥ」という遺跡があるんです。ここが世界遺産なので、どうしても行きたくて。
──ひとり旅で。
佐藤 ええ。海外ではレンタカーで旅することが多いので、マリの旅もレンタカーのつもりでいたんですが、この国はドライバー付きで車を借りるシステムしかなくて。泣く泣く、英語が話せるドライバーを希望して、ランドクルーザーを借りました。それでトンブクトゥには無事に行けたんですが、帰りにサバンナのど真ん中で、車が突然壊れたんです。
──サバンナで立ち往生?
佐藤 はい。しかも、野生のライオンやハイエナがいる地域なんですよ。
──それはまずいですね。