文春オンライン

「『元生徒』とつきあうのはあるあるで…」教え子2人との離婚を経て3度目は22歳差婚 カリスマ予備校講師の波乱万丈すぎる結婚生活

代ゼミ世界史講師・佐藤幸夫氏インタビュー#2

2024/06/16

genre : ライフ, 社会

note

佐藤 はい。もともと僕は35年来の世界旅マニアで、30代の頃から将来は海外に住みたいと思っていて。

2014年、エジプトのアブシンベル神殿(本人提供)

──でも移住先がエジプトとは、思い切りましたね。

佐藤 よく言われます。でも、自分としてはそうでもないんです。代ゼミで世界史を長年教えるうちに、イスラーム世界の奥深さに惹かれて、「53歳を過ぎたら移住しよう」と。

ADVERTISEMENT

エジプト移住は「なんとかなるかなあと短絡的に」

──「53歳」には、何か特別な理由が?

佐藤 若い頃に入った年利4%の保険が、53歳で満期年齢だったんです。その歳になればある程度まとまったお金が入るし、日本人向けの世界史ガイドという趣味もあるし、まあ、なんとかなるかなあと短絡的に……(笑)。

──予備校講師に加えて、世界史ガイドも?

佐藤 はい。実は予備校講師ってガイド向きな気がするんですよね。面白く、そしてわかりやすく、ガイドブックに書かれているだけではない旨味を入れて文化遺産を案内し、「来てよかった」と思ってもらう、そんなスキルですよね。

 ガイドっぽいことは、かれこれ25年間やっています。最初は、大学生になった元生徒やその友達、家族などを集めて、海外に連れていくツアーだったんですよ。当時は円高だったので旅費も安く、たくさんの卒業生が参加してくれました。

──世界史を学んで面白さがわかると、海外に行きたくなりますよね。

佐藤 そうなんです。勉強したモノを実際に自分の目で確かめに行くって、素晴らしいじゃないですか? ガイドブックの知識だけでその場所を眺めるよりも、歴史や文化背景までしっかり知ったうえで眺めると、自分の中の深落ち度が全く違うんですよ。今は一般の方向けに、「世界史講師ゆきおのガイド付き世界史ツアー」を企画しています。

2005年、トルコのブルーモスクの夜景(本人提供)

──どんなツアーですか?

佐藤 今はエジプトとトルコの周遊ツアーです。航空券は自分でご準備いただいて現地で合流し、5~6泊で歴史的文化遺産を僕の解説付きで回ります。毎日、ホワイトボードなどを使ったレクチャー、国際情勢やエジプト生活の座談、ビールを飲んだりYouTubeの裏話をしたり、飽きさせませんよ。エジプトツアーは今年6月までに7回やりました。今後もいろいろな世界史ツアー企画を考えてます。

 そんなわけで、代ゼミの映像授業と海外世界史ガイドの仕事を続ければ、世界のどこに住んでもやっていけると思ったんです。予定通り53歳を過ぎた2021年に、家族とエジプトへ引っ越しました。

関連記事