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田原俊彦と共演後、月収15万円→6000万円に爆増、愛車はポルシェに…「ジャニーさんが俺でいいって」野村宏伸(59)が明かす『びんびん』シリーズ出演の経緯

野村宏伸さんインタビュー #2

2024/06/30

genre : エンタメ, 芸能

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「違うんだな、こういう世界は」高校生でホテルのスイートに宿泊

――撮影は高校在学中に?

野村 そうです。3ヶ月ぐらい、たっぷり時間をかけて撮影したんですよ。普通はそんなに時間をかけないですけど、ひろ子ちゃんの大学もあったんでね。彼女は真面目に学校に行ってたから、たしか春休みに集中して撮ったんじゃないかな。ひろ子ちゃんは、学校が休みの時に撮るってスタイルだったんで。ロケも多かったし、そのあたりも含めて当時の角川映画だから余裕がありました。

デビュー当時の野村宏伸さん(写真=野村宏伸さん提供)

 映画のラストで、万座ビーチホテル(現:ANAインターコンチネンタル万座ビーチリゾート)が出てくるでしょう。当時は鳴り物入りのホテルじゃないですか、そこを定宿にしていたし、僕にはスイートかなんかを取ってくれて。「え、いいの?」って、さすがにビックリしましたね。それまで普通の高校生だったのに、急にそんなふうになっちゃうんでね。「違うんだな、こういう世界は」とか、しみじみ思いましたよ。

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 その沖縄ロケと高校の卒業式がぶつかってしまって、卒業はできたけど式には出られなかったんですよ。そうしたら、ひろ子ちゃんを筆頭にスタッフ、キャストのみんなが卒業祝いをやってくれてうれしかったですね。

薬師丸ひろ子との“知られざる関係性”とは?

――優しいですね。いきなりの俳優デビューで、戸惑ったりは。

野村 やったことないから、もう開き直ってましたね。「しょうがないじゃん」みたいな(笑)。そういう図太さ、ふてぶてしさが結構あるんですよ、僕。

 僕がトチっても、森田さんを筆頭に誰も怒らないし。森田さんなんて、万座ビーチホテルの部屋で、マンツーマンで演技指導してくれましたもん。森田さんが、ひろ子ちゃん役をやって(笑)。

『家族ゲーム』のこともいろいろ教えてくれたし、スタッフもほぼ一緒だったから感無量で。

 

――薬師丸さんは、どうでした。

野村 当時のひろ子ちゃんは、ずっと年上の方ばかりと共演していたじゃないですか。『野性の証明』(1978年)では高倉健さん、『セーラー服と機関銃』(1981年)では渡瀬恒彦さん、『探偵物語』(1983年)では優作さんが相手で。

 だから、年下が相手って、いなかったんですよ。そういうのもあって、僕のことを弟みたいにかわいがってくれましたよ。

――角川春樹さんが、現場を覗きに来ることは。

野村 ないです。春樹さんは、『メイン・テーマ』と同時上映だった『愛情物語』(1984年)の監督をやっていて、撮影時期も被っていたから。それに角川映画は、二本立てになると「あっちより出来がいいのを撮ってやる」みたいな対抗意識がものすごいんですよ。そうやってしのぎを削っていたところがあったんですよね。

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