春の大型連休前半の4月29日、新横浜駅6時11分発の「のぞみ99号」に乗った。混雑を予想していたけれど、4日前にスマートEXで普通車指定席を手配したときは富士山側の窓際に空席があった。海側は空席が多い。
この列車は東京発6時ちょうどの始発列車だから、朝が早すぎて乗れる人が少ないか、この期間の「のぞみ全車指定席制度」で利用者が分散されたか、アフターコロナの回復途上かわからない。
ちなみに今夜は近鉄奈良駅のほぼ真上のビジネスホテルを予約していて、こちらも4日前に空き部屋があった。これもアフターコロナ回復途上か、あるいは奈良が穴場なのかもしれない。いずれにしてもこの時期に予約ができて幸運だった。
ボイスドラマは「新幹線が一定の速度に達した時」
朝食の駅弁を平らげると、さっそくスマートホンで「薬屋のひとりごと×JR東海 薬屋、奈良のたび」の公式サイトを開く。これが今回の旅の目的だ。「薬屋のひとりごと」は「日向夏」さんの人気小説で、コミックやアニメにもなっている。私はアニメを見て面白さに引き込まれた。
主人公の猫猫(マオマオ)は架空の中華世界で後宮の女官。陰謀渦巻く世界で毒味役を進んで引き受ける。薬の知識が豊富で、宮中の事件を解決していくなかで、世の中を斜に構えて独白する。観る側は推理小説と猫猫への共感で引き込まれる。
そんな作品がJR東海とコラボした。なぜ中華風世界と東海道新幹線、そして奈良がコラボできるのか。アニメファンとしては確かめたくなった。コラボ期間は3月4日から6月30日まで。3月29日から奈良周遊スタンプラリーが開始され、大型連休中はイラストレーターの「しのとうこ」さんの原画展が開催されている。
コラボ企画のひとつ目が「認定試験」だ。新幹線車内限定企画で、スマホで位置情報を取得すると「受験」できる。合格すると音声付きデジタル合格証を貰える。次に「小説1巻から3巻までを無料で読める」。これは新幹線車内でいったんGPS情報を得ると、その日はどこに居てもずっと読める。3つめは「猫猫の謎解きボイス付きスタンプラリープロローグドラマ」だ。これは東海道新幹線に乗って、一定の速度に達したときに聴ける。
私はアニメを見ただけの「初心者」だから、認定試験はあきらめた。小説も奈良までの1泊旅行では読み切れなさそう。東海道新幹線の利用機会の多い出張族や新幹線通勤者が羨ましい。もっとも小説版は投稿サイト「小説家になろう」で読める。「猫猫の謎解きボイス付きスタンプラリープロローグドラマ」は聴かねばならぬ。奈良で楽しむスタンプラリーの情報だからだ。