明治17年に創業した老舗もコラボに参加
少し早めの昼食だ。ならまちをぶらぶら歩き、ちょうどお腹が空いたところで「みよし」という洋食屋を見つけた。「ボリューム満点ランチ」のCランチ。ハンバーグ、チキンカツ、ポークソテーとライス。歩き回った身体にグイグイと飲み込まれていく。デミグラスソースが美味い。「今夜また来ます」と言ったら「夜はやってないんですよ」という。ご飯がなくなっちゃうそうだ。残念。
またならまちをそぞろ歩き。次は「春鹿醸造元」へ。途中に「世界文化遺産 元興寺(げんごうじ)」があり、立ち寄ってみた。公式サイトから引用すると「日本最初の本格的伽藍である法興寺(飛鳥寺)が平城遷都にともなって、蘇我氏寺から官大寺に性格を変え、新築移転されたのが、元興寺」だ。
建物群も立派だけれども、小雨に濡れた石仏たちの庭が楽しかった。この元興寺の元境内だった地区が「ならまち」だそうで、素通りしてはいけないところだった。
銘酒「春鹿」の醸造元でもある今西清兵衛商店は明治17年に創業した老舗だ。伝統的な木造建築に杉玉が掲げられている。春鹿は奈良伝統の南都諸白を継承する酒として親しまれているという。
知識だけを披露すれば、奈良は日本酒発祥の地。なぜなら、中世では酒造りの中心がお寺だったから。酒の原料は穀物や果実などがあるけれども、奈良の寺では製造工程ですべての米を精米(精白米)した諸白(もろはく)仕込みが始まり、朝廷や貴族に人気となった。やがて造り酒屋が酒造を担うようになり、南都諸白と呼ばれた。江戸時代に将軍御膳酒として上納され、江戸に出店したほか、その製法は各地に広がり、こんにちの日本酒となる。
昼過ぎの今西清兵衛商店は賑わっていて、人気のほどをうかがわせる。遠慮しがちに入店すると、棚に「薬屋のひとりごと×JR東海 薬屋、奈良のたび」コラボポスターが掲げられ、「春鹿超辛口」の前に猫猫と壬氏のアクリルスタンドが立っていた。
お酒を飲めたら買うんだけど、と思ったら、ありがたいことに「春鹿」を使った奈良漬け、バームクーヘン、酒の香りのお茶もあった。奈良漬けは「きゅうり」と「うり」があり、いろいろ買ったら鞄が重くなった。その重さに満足して退店した。
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