宇宙は際限なく広がっている。とはいえ、未確認飛行物体の存在を大真面目に語る人には白い目が向けられがちだ。それにもかかわらず、宇宙物理学の第一人者である柴田一成氏は、UFOは実際に存在すると断言する。いったいなぜなのか。
ここでは、同氏の著書『太陽の脅威と人類の未来』(角川新書)の一部を抜粋。地球外生命体に関するマジメな議論について紹介する。(全2回の2回目/前編を読む)
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UFOは本当にある?
私は、学生への講義の際、毎年こんな質問を問いかけています。
「UFOは本当にあると思いますか?」
すると、200人に10人くらいが手を挙げます。同じ問いを小学生に投げかけたら、半分ぐらいが手を挙げるのですが、大学生になるとこの程度です。半分ぐらい大人になっている大学生にしてみれば、「そんなもの、空想の存在だろう」となるわけです。
しかし、答えは「YES」です。
つまりUFOというのは実際に存在しています。
ただし、勘違いしないでいただきたいのは、UFOというのはあくまでもUnidentified Flying Object、つまり未確認飛行物体を指す言葉であって、宇宙人が乗っている宇宙船ばかりを指すわけではない、という点です。
正体がわからない飛行物体という範囲であれば、目撃証言はいくらでもありますし、写真にも撮られています。もちろん、インチキ写真(捏造写真)も多いのでだまされないように注意しなければなりません。
天文学者に同じ問いかけをしたら…
天文学者に同様の問いかけをしたらどうなるでしょうか。
実は、今からもう40年ほど前になるのですが、アメリカで3000人ぐらいの天文学者を対象に「あなたはUFOを見たことがありますか?」と問うアンケート調査が行われたことがありました。
調査のリーダーシップを取ったのは、太陽天体プラズマの分野で世界的に有名なピーター・スタロックという研究者です。
調査の結果、全体の2%程度である50~60人ぐらいの研究者が「YES」と回答、具体的な目撃情報を書いてきた人もいました。
ただし、その大半は「発表する場合は匿名希望」だったそうです。理由は当然ながら「名前が出てしまうと学者としての信用を失うから」であるものの、内容そのものは驚くべきものでした。
円盤状のものが天文台の近くに着陸したと、自身が見たUFOのスケッチを描いてきた人もいました。もちろん、どこまで信用できるかはわかりませんが。