スタロック博士のUFO研究
こうしたアンケートを取るほどですから、スタロック博士はかなり真剣にUFOの研究をしていて、そちらの方面でも名を馳せています。
私は博士と言葉を交わしたことがあります。1996年3月、イギリスで国際リコネクション会議が開催されたときのことでした。
この会議に合わせ、参加者のエクスカーション(見学会)として、あのストーンヘンジに行く企画が立てられました。すると多くの研究者が参加しました。有名な遺跡ですし、一説には古代の天文台だったともされているので、みんな一度は見てみたかったのでしょう。私ももちろん参加しました。
ストーンヘンジのある場所までは、遠足のようにバスに乗って行ったのですが、その途上、ガイドが歴史的な説明をするついでに、「ストーンヘンジはUFOが集まる場所としても有名です」などという話を始めたのです。
すると、あるアメリカ人の研究者が、
「ピーター、ピーター! UFOの解説をしろよ!」
と呼びかけたのです。それぐらい、スタロック博士はUFO学者としても有名なのです。
請われた博士は立ち上がって解説を始めたのですが、その内容はというと、UFO好きには大変有名な事件、ロズウェル事件の話でした。
ロズウェル事件とは
知らない方に向けて簡単に説明しますと、ロズウェル事件というのは、1947年にアメリカのニューメキシコ州にあるロズウェル陸軍飛行場(RAAF)に、空飛ぶ円盤が墜落したとされる、世界でもっとも有名なUFO関連事件です。
博士は、墜落現場には謎の生命体の遺体があったという話などを真剣にしておられました。スタロック博士というと、太陽フレアのモデルを最初に提唱されていた偉大な方で、そういった研究者が異星人の死体についてまじめに論じている姿に、私は驚くばかりでした。
とはいえ私自身、この手の話は好きなので、博士に直接「UFOの話、もっと詳しく教えてください」とお願いしたところ、博士は喜んで「では論文を送ってあげよう!」といって、実際に送ってくださいました。先ほど紹介したアメリカでのアンケート調査結果は、その論文に含まれていたものです。
UFOは今でこそ怪しげなオカルトとごったにされていますが、目撃証言が出始めた当初は、天文学者も「UFOの正体は何だろう?」と興味を持ち、詳しく調べる人もいました。また、空を監視する空軍も謎の飛行物体を発見する機会が多く、かつてはかなり真剣に調査が行われていたのです。