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「ゼッタイによい」「大好き」という層は多くないのに都知事選で圧勝した小池百合子さん(71)の“一番の問題点”について

なかなかしんどかった都知事選2024 #2

2024/07/08
note

 盤石の戦いを終えた小池百合子さんの一番の問題点は、今回特に明確でしたが「いまの都知事(のやってきた政策)は支持しているが、別に小池百合子は支持していない」という点です。

 言い方を変えれば、役職と人物とが有権者の評価からは切り離されていて、政策に満足はしているけど、小池百合子さんが良いとは思わない、という都民が2割ぐらいいて、その人たちが概ね小池百合子さんに投票しているのです。「まあいいか」ってやつでしょうか。

あまり愛されない小池百合子さん。それでも蓮舫さんよりは…

 いわば、現状にそれほど不満のない都民が現状維持票として小池百合子さんに仕方なく投票したのであって、どの調査を見ても「小池百合子さんが絶対に良い」「小池百合子さんが大好き」という層はそう多くありません(それでも蓮舫さんよりは愛されています)。

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©時事通信

 裏を返すと、小池百合子さんが都知事選において都民から揺るぎない票数を得て圧勝しても、その小池さんを支える党である都民ファーストに関して言えば、小池さんとの関わりを相応に前面に出しているにもかかわらずたいして強くないのです。政党としての都民ファースト支持率は、今回投票箱まで来た都民有権者のわずか2%です。もっと来いよ。

 ある意味で「まあ小池百合子でいいや」というのが無党派を含めた1,153万人都民有権者の総意であって、なんか気に入らないことも起きるけど大過なく8年やってきたから再選でいいぞということなのかもしれません。

 小池百合子さんの都政対策においては、概ね都民は満足しており、たくさんの人口を抱える都市のガバナーとしては世間的にも穏やかな支持率を得ています。特に防災など都市機能のレガシーや子育て・教育政策、障害者支援などに加えて、特筆されるべきは全年代でコロナ対策の良さを都民は挙げています。

 これは小池百合子さん本人の手腕もあるのかもしれませんが、国のコロナ対策とは別に速やかに休業補償の枠組みを打ち出し、対策アドバイザーに大曲貴夫さんを抜擢して感染抑制には「新規感染1日100人未満に」と早期から具体的なプランを着地させ、これらを都民ファースト、公明党、自由民主党の都議会与党が無難に捌いていったからではないかと思います。

 小池さんの都政運営のスタイルは「アタクシはよく分からないけど、お前ら良きにはからえ」と適切な現場と議会に丸投げできていたから成果が出てるんじゃないでしょうか。

 なお、都民からすると東京オリンピックは無かったことになっています。

 びっくりするほど、誰も何も言わん。

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