通常の営業時に店内の一部を閉鎖したワケ
ひとつの工夫として、厨房から離れた店内の一部にカーテンをかけて、そのスペースは通常の営業時には閉鎖するようにした。そこまでお客さんが入ってしまった場合、どうしても提供するまでに、時間がかかってしまうからだ。
目先の利益だけを考えたら、どんどんお客さんを詰め込むべきなんだろうけど、結果として、それがお客さんにとって「注文からの待ち時間が長い」というストレスになってしまうのであれば、その要因はこちらで排除すべきだ、と判断した。
お酒を飲みながら、おつまみも食べて、シメにラーメンを食べたい、という方もたくさんいるけれど、最後の最後にオーダーされてしまうと、どうしても待っていただく時間が長くなる。つまり、お客さんが食べたいタイミングでラーメンを提供できなくなってしまうので、それを避けるためにも、まずラーメンをオーダーしていただいて、お酒とおつまみのあとのシメで食べたいのであれば、その順番で出します、という形を取るようにした。ウチではラーメンの単価がいちばん高いという理由もあるけどね。
「行列のできるラーメン店」の演出
「俺がひとりで厨房を回している」という、こっち側の都合からできてしまったルールではあるけれども、最終的にはお客さんがストレスなく食事ができることを念頭に置いていることだけは、わかっていただきたい。
実はラーメン店ではこの状況を逆手に取ることが多い。
提供時間が長くかかれば、当然のことながら客席の回転は悪くなる。結果、待っているお客さんが店の外に並ぶようなことになる。いわゆる「行列のできるラーメン店」の何割かは、このトリックを使って、あえて行列を演出しているのだ。
これも立派な戦略だと思うし、「行列」は店にとって最高の看板になるので、多少、回転率が悪くなっても、最終的には損はしないだろう。