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ラーメン屋に来た“自称グルメのヤバい客”が突然「この店のラーメンはまずい!」と連呼…そのとき、店主のプロレスラーが取った“思わぬ対応”

『プロレスラー、ラーメン屋経営で地獄を見る』より #2

5時間前
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 東京都世田谷区でラーメン屋「麺ジャラスK」の店主を務める、プロレスラーの川田利明さん。10年続く店はたった1割といわれるラーメン業界で生き残り、今年で14年目を迎える。

 そんな川田さんは「ラーメン屋は絶対にやらないほうがいい」と言うほど、苦労を味わったという。いったい彼は、ラーメン屋店主としてどれほど過酷な経験をしたのか――。ここでは、著書『プロレスラー、ラーメン屋経営で地獄を見る』(宝島SUGOI文庫)より一部を抜粋して紹介する。(全2回の2回目/1回目から続く

写真はイメージです ©Kuri2000/イメージマート

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「食べログ」のラベリング効果を危惧

 ラベリング効果について勉強していく中で、なるほどなと思う反面「なんか矛盾していないか?」と感じてしまったことがある。それは、影響力の大きな「食べログ」の存在だ。ここに投稿している「自称・グルメ」の人たちの書き込みが、ラベリング効果を発揮してしまっていることを俺は危惧している。

 本来、味の感じ方……味覚なんて千差万別で、Aさんが「旨い!」と思っても、Bさんは「味が薄い」と言ったり、Cさんは「別に美味しくない」とバラバラな意見になるのが普通のことだ。100人が100人、口を揃えて「旨い!」というのは、かなり異常な状況で、それを現実のものにしてしまうのがラベリング効果のちょっと怖いところでもある。

 いろいろな人に話を聞くが、店選びに迷った時は、食べログのランキングと平均得点で決めるという。そしてもっとも重要視するのが感想の書き込みだそうだが、「自称・グルメ」の意見を本当に鵜呑みにしていいのかな?

 ちなみに、ウチの「麺ジャラスK」も頼んでいないのに勝手に食べログに掲載されているが、ある意味でネット社会の便利さが産み出す怖さもあると思う。