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梅子さんは、旧姓に戻っていますが、姻族終了届まで提出したかどうかはわかりません。しかし、元夫の家族との縁を切って一人で生活しているようですので、姻族終了届を出した可能性が高そうです。
「生理休暇」にまつわるシーンも象徴的だった
ドラマの中で、寅子は生理痛がとても重く、学生の頃は授業を休んでいました。社会人になってからも、生理痛の重さは変わらなかったのですが、昭和22年に労働基準法で「生理休暇」が規定されたにもかかわらず、我慢して働く様子が放送されました。家庭裁判所が人員不足だったのと、「これだから女は」と言われるのが嫌だった、という理由でした。
「生理休暇」は、生理であれば休める、というのではなく、生理の症状が重くて仕事ができない場合に休暇を取得できる制度です。生理休暇を女性が請求した場合、会社がこれを認めなければ30万円以下の罰金に処せられます。
しかし、令和2年厚生労働省の調査によると、生理休暇を請求したことがある女性はわずか0.9%です。
せっかく休暇制度があるのにほとんど利用されていないのは、生理休暇が有給なのか無給なのかは法律で決まっておらず、会社の方針次第ということも影響しているかもしれません。ただ、「生理休暇」という制度自体を知らない人が大半ではないかと思われます(『新おとめ六法』p155参照)。
法律は自分を守る武器です。梅子さんのように、自分を守るために法律を知ってほしいと思います。
上谷 さくら(かみたに・さくら)
弁護士 第一東京弁護士会所属
福岡県出身。青山学院大学法学部卒。毎日新聞記者を経て、2007年弁護士登録。犯罪被害者支援弁護士フォーラム事務次長。第一東京弁護士会犯罪被害者に関する委員会委員。元・青山学院大学法科大学院実務家教員。保護司。
弁護士 第一東京弁護士会所属
福岡県出身。青山学院大学法学部卒。毎日新聞記者を経て、2007年弁護士登録。犯罪被害者支援弁護士フォーラム事務次長。第一東京弁護士会犯罪被害者に関する委員会委員。元・青山学院大学法科大学院実務家教員。保護司。