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不快なマウンティングに「頷いて相槌」は絶対ダメ…"視線"だけで相手の戦意を喪失させる効果絶大のテク

source : 提携メディア

genre : ライフ, 社会

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私がよく相談を受けるのは「自分に対してマウントを取ったり、愚痴や他人の悪口を常に自分に対して吐き捨てられたりするのが耐えられない、どうしたらいいものか」というケースです。

この場合は、嫌なことをする相手を本人が受け入れているのではないかと考えます。

そもそも、そのような人物に近寄られて不快なことをされても、断らずに受け入れてしまうとその後もずっとその人から不快な扱いを受け続けることになります。

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「私はあなたの心のゴミを受け入れます」というメッセージになっているのかもしれません。

また、マウントを取る人や自己愛性の強い傲慢不遜な人物に対しては、闘うよりもスルーすることが大事です。

私も以前ある講演会で隣り合わせに座った女性経営者の自慢話をずっと聞かさせられて辟易していましたが、私はあることをしました。

それは頷いたり、相槌を打つことを控えることです。

目線もあちこちを見たり遠くを見たり、何かが気になるそぶりをしたり、反応を薄くしました。すると、彼女は私に近寄ることはなくなっていったのです。

このスキルは「ラポール切り」と呼ばれるテクニックで、あからさまな拒絶ではなく、その人と適切な距離を取ることができます。縁を切りたい人には効果大です。

または、このような人とどうしても関わりを切れないという方は、自分の両親のどちらかに似た要素をその人に投影しているため、心が凍結し麻痺してしまっているのかもしれません。

その場合は、その人に関わることで自分という存在を感じられているのかもしれませんので、嫌な人と関わること自体が心理的な利得(メリット)となっている場合が考えられます。

そのようなケースでは、いきなりご縁を切ると恐怖が強くなってしまうので、慎重にその恐怖の根源である、両親とのトラウマを解決することを優先させましょう。

大鶴 和江(おおつる・かずえ)
心理セラピスト
心理分析・心理セラピー講師。大分県生まれ。児童養護施設で8年間過ごした体験から、さまざまな心理学や心理療法を学び、2005年に独立。延べ1万人以上の心の悩みを解決し、現在も福岡と東京を拠点として活動している。独自の心理療法「リトリープサイコセラピー」を考案。問題の利得にフォーカスしたセッションは、「悩みがリバウンドしなくなる」と評判。著書に『自分を縛る“禁止令”を解く方法 見えない「利得」に気づくと、すべての問題は解決する』(大和出版)などがある。
不快なマウンティングに「頷いて相槌」は絶対ダメ…"視線"だけで相手の戦意を喪失させる効果絶大のテク

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