堀米のエピソードで特に印象的だった言葉
とある対談で、堀米の昔からの仲間の1人であるスケートボーダーの西宮ジョシュアに「憧れのスケーターは誰?」と質問した時の回答だ。彼は「一周回ってゴメちゃん(堀米雄斗)だね」と答えた。
東京オリンピック後、映像作品制作に取り組んでいた堀米を訪ねてアメリカまで足を運んだ時のこと。彼が見たのは自らが幼き頃に憧れたトッププロと共に活動する堀米の姿。さらにそこには昔から全く変わらない数々のストイックな姿勢があった。その姿を目の前で見させられた時、思わず出たのが「いや、俺はそんなに頑張れないよ……」という感情だったとのこと。
「これが一流なんだと、思わされちゃいましたね。昔から人一倍練習やってたヤツでしたけど、それが今も変わってないのが本当にすごくて。あそこまで結果残しているのに、数々の誘惑にも全くブレずにやり続けているんですよ? それが一番好きなスケーターだって思わされた理由ですね」
彼の本当の姿を知っているスケーターに「憧れのスケーターは?」と聞くと、皆が「堀米くんかな」と答える。「生で観てるとすごさがわかるからなおさら好きになるよね」「やっぱり彼はナンバー1のオンリー1だよ」。このような声を何度聞いただろうか。
一方で仲間想いの素晴らしい人柄も耳に入ってくる。
「友達としてはすごいホーミー(くつろげる仲間)みたいな感じなんです。でもそれを超えて好きなスケーターになったというか、なんか不思議な感覚なんですよね」
ひとりの人間の中に、憧れとしての堀米雄斗と友達としての堀米雄斗、2つの堀米雄斗がいるのだ。