7月26日に開幕し、数々の名シーンが誕生しているパリオリンピック。8月9日、8月10日には、注目の新競技「ブレイキン」が行われる。各国の出場者が、DJの流す曲のリズムやビートに即興で動きを合わせて、個性あふれるダンスを競う。日本からは男女4人が出場し、史上初のオリンピックメダルを目指す。

 今回、初めて観戦する人も多いであろうブレイキン。いったい、どんな競技なのか。どんなポイントに注目すればいいのか。ブレイキン国内トップ選手で、2018年に行われたユースオリンピック金メダリストの河合来夢さん(23歳、ダンサーネーム・RAM)に聞いた。(全2回の1回目/2回目に続く

「ブレイキン」国内トップダンサー・RAMさん ©平松市聖/文藝春秋

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パリ五輪の競技種目に決まって素直に嬉しかった

――2024年パリオリンピックで、ブレイクダンス、通称「ブレイキン」が競技種目として採用されました。5歳からブレイキンを始め、数々の国際大会に参加してきたRAMさんは、採用が決まったときどう感じましたか?

河合来夢さん(以下、RAM) 素直に嬉しかったですね。私が2018年にユースオリンピックに出場したとき、たくさんのメディアに取材をしてもらいました。そのときにも、これまでブレイキンを知らなかった人たちにもブレイキンを知ってもらえた実感があったんですよ。

 これがオリンピックとなったら、さらに認知度が高まって、興味を持つ人も増えるはず。ブレイキンという競技を応援してくれる人や、「自分もやりたい」という人も増えてほしいと思っています。

ブレイキン の日本代表選手団(公益社団法人日本ダンススポーツ連盟 "ブレイキン"のInstagramより)

「真面目な選手が多い」ブレイキン日本代表が強い理由

――今回、日本からは4人の出場が決まっています。それぞれが世界大会で優勝した経験を持ち、男女ともにメダル獲得の期待が高まっていますよね。なぜ、日本には強い選手が多いのでしょうか。

RAM 海外の選手と一緒に練習をしたことがないので、直接比較はできないのですが……。「真面目な選手が多い」のは、日本が強い理由のひとつかもしれません。どんなに著名な選手でも、体幹トレーニングなどの基礎的な練習をベースに、毎日何時間もダンスと向き合っています。

「世界大会優勝」や「オリンピックでのメダル獲得」など、目指しているゴールは華やかだけど、それに向かって地道な努力ができる人たちばかりなんですよ。