〈あらすじ〉
文学を愛する13歳の少女ヴァネッサ・スプリンゴラ(キム・イジュラン)は、50歳の有名作家ガブリエル・マツネフ(ジャン=ポール・ルーヴ)と出逢う。彼は、自身の小児性愛嗜好を隠すことなくスキャンダラスな文学作品に仕立て上げ、時代の寵児となった著名人だ。
マツネフから詩のようなラブレターを何通も送られ、ヴァネッサは彼を愛するように。やがて14歳になったとき、“同意”の上で彼と性的関係を結ぶ。そうしてのめり込んでいった関係は次第に歪(いびつ)さを強めていき、彼女と周りの人々を苦しめていく。
〈解説〉
有名作家から受けた性的虐待を告発した、編集者で作家のヴァネッサ・スプリンゴラによる回想録『同意』を映画化。監督・脚本は『マイ・エンジェル』のヴァネッサ・フィロ。118分。
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中野翠(コラムニスト)
★★★★☆有名作家とは言え、図々しく大人げない男としか思えず。美化する余地ナシでは? 女性監督だからこそ描けたのかも……。
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芝山幹郎(翻訳家)
★★☆☆☆心理描写に不必要な繰り返しが多いと、話がどうしてもくどくなる。感情の変容や深化に向かう道を探ってほしかった。
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斎藤綾子(作家)
★★★★☆14歳の聡明だが純情な娘に対応する女丸出しだが知的な母親に惚れ惚れ。小児性愛者の甘い眼差しは肉食獣の恐ろしさ。
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森直人(映画評論家)
★★★★☆真っ直ぐな告発のパワーを装填。文学や芸術、知性の名を騙った捕食や暴力、都合の良い物語化の欺瞞を鮮明に解剖する。
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洞口依子(女優)
★★★☆☆作家マツネフと少女の関係の描写に映画美的センスが欲しい。捕食者に対する少女の同意がいかに不確定であるかを物語る。
- もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
- 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
- 料金の価値は、あり。★★★☆☆
- 暇だったら……。★★☆☆☆
- 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
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コンセント/同意(仏、ベルギー)
8月2日(金)よりシネマート新宿ほか全国公開
https://klockworx.com/movies/consent/