コブダイの適水温と釣り方は…?

 2023年4月。寒さも和らぎ、春の陽気が感じられる季節に、今年こそはとリベンジへやってきた。4月になると厳寒期に吹きすさんだ北西風から一変、南風が東京湾の水温を上昇させる。海水温は14~5℃まで回復し、少しずつ生物の活性も上がる。釣りシーズンの到来だ。

 今回はファミリー釣り場のモンスターと対峙するにあたって、前年にコブダイ釣りを予習実践しておいた(糸と針だけ!「かぶせ釣り」で50cmオーバーの“磯の王者”イシダイに挑んだ)。かぶせ釣りという釣法を地元の岡山で試し、70cmを越えるコブダイを釣り上げることに成功していたのだ。

やはり西日本はコブダイの魚影が濃い

 経験不足で関東での千載一遇のチャンスを逃したくない。そんな思いで、アタリ方ややり取りの感覚を掴む訓練をしておいたのだ。そして、迎えたうみかぜ公園での実践。早速、広島から取り寄せた牡蠣をエサに釣りをスタートさせる。

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竿をぶち曲げる得体のしれない巨大魚…!

 仕掛けを準備している間、足元に殻ごと砕いた牡蠣を撒き、少しでもコブダイが寄ってくるよう場をつくる。牡蠣の匂いでコブダイの食欲を誘発させると同時に、上からエサが落ちてくる視覚効果で集魚を狙う。

餌として養殖業者から牡蠣を8kgほど購入した

 2023年コブダイチャレンジの開幕……。すると、まさかの一投目で腕まで衝撃が伝わる大きなアタリがでた。

 ドス! っとした感覚のあと、竿先が重たいものに引っ張られる。これはコブダイがエサを喰ったのだと確信した。すぐさまアワセを入れ、臨戦態勢をとる。しかし、魚は全く浮いてこない。さらに、道糸の角度が足元の岸壁内部に潜り込むという異変も発生していた。

折れそうなほどぶち曲がる竿

 そこで初めて岸壁の内側が空洞(消波構造)になっていることに気が付いた。しかし、抵抗する間もなくラインは切られてしまった…。撮影していた映像を見直してみると、アタリが出てからバラしてしまうまではわずか8秒間のできごとだった。体感ではもっと長く感じたが、まさに秒でやられてしまっていたのだ。

 一投目でアタリがでたので、当日はまだチャンスがあるかと諦めず、夕方まで釣りを続ける。しかし、最初のアタリが最後のアタリであった。無念だ。